♦ニュースから(54) 「世界一」の戦いに涙が出た! ボクシング、井上×ドネア戦 | のむらりんどうのブログ       ~君知るや ふたつの意識~

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2002年9月22日の早朝。目覚めて布団の上に起きあがった瞬間、私は「光の玉(球)」に包まれたのです。以来、「自我」(肉体と時間に限定されたこの世に存在する私)と、「真我」(肉体を超えて永遠に宇宙に実在する私)の、ふたつの意識を持って生きています。

 

 

       井上尚弥が輝いた日――拳闘に興奮、健闘に拍手

 

 

 昨夜(2019117日)、さいたまスーパーアリーナで行われたワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)のバンタム級トーナメント決勝で、日本の井上尚弥がフィリピンのノニト・ドネアを判定で破り、世界一となりました。すばらしい試合でした。

 

 スポーツはいまや水泳を楽しむ程度の私ですが、テレビで放送されるものはプロ野球をはじめマラソンや駅伝などはよく見ます。サッカーやゴルフ、柔道、レスリング、冬季競技などはそれほど興味が湧きませんが、相撲、ラグビー、ボクシングなどはおもしろい。この違いっていったい何でだろう、と自問自答するのですが分かりません。

 

 

 

 

 ドネアの強さは世界に知られています。

 では、井上尚弥×ノニト・ドネア戦の模様を、けさの朝日新聞

 118日付、東京本社版)から引用します。

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1面  井上尚、世界一

 

 プロボクシングの「世界一」を決めるワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)のバンタム級トーナメント決勝が7日、さいたまスーパーアリーナであり、世界の主要2団体王者の井上尚弥(26)=大橋=が、世界5階級制覇の実績を持つノニト・ドネア(36)=フィリピン=を判定で破って優勝した。WBSSは2017年に設立され、主要4団体の王者らから選ばれた選手が争う大会。日本選手が頂点に立つのは井上が初めて。

 

16面 井上尚、苦闘の判定勝ち ボクシング・WBSSバンタム級

 

 さいたまスーパーアリーナで行われたワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)のバンタム級トーナメント決勝で、世界の主要2団体王者の井上尚弥(26)=大橋=が世界5階級制覇のノニト・ドネア(36)=フィリピン=を判定で破り、日本選手で初めてWBSSの頂点に立った。アマチュア時代から傑出した成績を残し、無敗で3階級制覇などを果たした怪物に「世界一」の勲章が加わった。

 

     (ハイライト)待ち望んだ一戦、窮地は糧

 

 眼前のドネアが、井上尚の目には2人いるように映っていた。

 

 2回、警戒していたはずの左フックを食らい、右眉の下が切れた。出血が目に入って「視界がぼんやりした」。9回には右強打を受け、腰が砕けた。キャリア最大の苦戦。皮肉にもそれは戦前、自身が望んだものだった。

 「自分の『底』が見えない」。6月、そんな強者の嘆きを発していた。バンタム級に転向してからの3戦、いずれの相手も2回をもたずに倒れた。「成長に必要な自分の課題を見つけられない」。だからWBSS決勝で欲したのは歯応えのあるファイト。5階級王者ドネアとの一戦を心底、楽しみにしていた。

 

 いざ、ピンチに遭遇すると、どうだったか。

 

 今まで強打に隠れていた井上尚の引き出しの多さが発揮され、逆境をはね返した。足を使って距離を保ち、カウンターで相手の出ばなをくじく。出血したところを守るための右ガードは堅く、隙をみて右の強打をねじ込んだ。11回1分過ぎ、左をドネアの肝臓付近に当て、ダウンも奪った。

 

 「期待された内容ではないかもしれないが、これがボクシング。これが実力」。「世界一」となってなお、満足とはほど遠い表情。それが逆に伸びしろの大きさを思わせる。

 今後は主戦場を本場・米国に移す。この一戦で得た糧は、井上尚をさらに大きくするはずだ。

 

     36歳、ドネアは健在

 

 下馬評では不利だった36歳のドネアが奮闘した。2回に得意の左フックを当て、11回にダウンを奪われても最後まで左フックを狙った。試合後は病院へ。「井上が真の王者だと証明した試合だ。自分のパンチにあれだけ耐えられる選手はいなかった」とたたえ、「率直におめでとうと言いたい」とコメントした。

 

 世界5階級制覇の実績があり、全盛期は過ぎたという見方もあった中、敗れてなお健在ぶりを見せつけた。

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 <試合経過>などは記事にある通りでしたが、試合後ふたりは抱き合って互いに相手の健闘をたたえていました。憎しみ合うのではなく、それぞれの身体を最高の状態にしてぶつかりあう、まさにこれがスポーツの真骨頂ではないでしょうか。私の目から涙があふれ、感動しました。

 

 ボクシングのテレビ放送は何十年と見てきましたが、涙を流したのは初めてです。隣にいた妻の目にも涙が光っていました。

 

 

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 これで思い出したのが、このブログ(♦ニュースから♦(29)「友情は国境を超えて…」)に記した韓国・平昌(ピョンチャン)での冬季五輪(2018年)でのエピソード。

スピードスケート女子500メートル決勝で優勝した日本の小平奈緒選手が、ライバルであり友人でもあった韓国の李相花(イ・サンファ)選手に歩み寄って抱きとったシーンです。その感動は世界に発信され話題となりました。

ただ今回は逆です。つまり、小平選手の場合は勝者が敗者に対しての友情を見せたのですが、ゆうべは敗者ドネアが勝者井上の健闘をたたえ、祝福の抱擁をしたのです。

 

井上が真の王者だと証明した試合だ。自分のパンチにあれだけ耐えられる選手はいなかった」――。この言葉を残した10歳年上のドネアも、人格者でありすばらしい王者であったのです。

 

 

                          (記 2019.11.8 令和元)