「神」に、名前はいらないのです!
10月28日(2019年)の朝日新聞朝刊(東京本社版)は、
1面トップに次のようなニュースを報じました。
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IS最高指導者 死亡
バグダディ容疑者 米が軍事作戦
トランプ米大統領は27日、ホワイトハウスで演説し、米軍特殊部隊がシリア北西部で作戦を実施した結果、過激派組織「イスラム国」(IS)の最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者が死亡したと発表した。住居に踏み込んだ特殊部隊から逃げようとしたバグダディ容疑者がトンネルに逃げ込み、自爆用ベストを爆発させたという。
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あのアルカイダのウサマ・ビン・ラディン殺害から、何も変わっていません。
「無慈悲」という言葉しか見当たらない「イスラム国」(IS)の行動から見れば、襲撃を当然視する声もあります。アメリカのトランプ大統領は「世界はずっと安全になった」と言いました。果たしてそうでしょうか。それは自我意識下での「戦争」という範疇での思考です。
ISがテロに及ぶ背景には、望まぬ歴史があります。根に民族や宗派の仲たがいがあり、彼らの「負の意識」は氷解していません。そして、アメリカが2003年に始めたイラク戦争。以後、彼の国は内戦状態になりました。シリアも内戦で500万人が難民となってしまったのです。
といって、ISの行動を許すことは出来ません。「歴史の無慈悲」という嘆きは人間の存在にまで及んでいます。
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そしてまた、つぎつぎと起こる新たなテロ攻撃。
●BBCによれば ――サウジアラビア・アブカイクとクライスにある石油関連施設が9月14日、空爆によって炎上した。イランが後押しするイエメンの反政府武装組織「フーシ」が犯行声明を出している。しかし、アメリカのポンペオ国務長官は、イエメンからの攻撃を示す証拠はないと反論。攻撃にはイランが関与していると述べた。
●AFPによれば ――10月11日にはサウジアラビア西部の港湾都市ジッダの沖合でイラン船籍の石油タンカーが爆発・炎上した。「ミサイル攻撃を受けた可能性がある」とテロ攻撃の可能性を示唆している。
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<文明の衝突>は果てしなく続きます。「神」への意識を変えなければ……。
キリスト教か、イスラム教か――。宗教のおろかさがここにある。
「神」は自我の向こうにあるのではない。
みずからの意識の中に「神」があるのです。
「神」に名前(姓)はいりません。
「神」は対立するものではない。
たがいに手を差し伸べるのが「神」であるはず。
なぜなら、唯一のものであるから。
(記 2019.10.29 令和元)