✡天皇と国民(10) 新天皇即位 複雑な思いに終始した一般参賀 | のむらりんどうのブログ       ~君知るや ふたつの意識~

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2002年9月22日の早朝。目覚めて布団の上に起きあがった瞬間、私は「光の玉(球)」に包まれたのです。以来、「自我」(肉体と時間に限定されたこの世に存在する私)と、「真我」(肉体を超えて永遠に宇宙に実在する私)の、ふたつの意識を持って生きています。

 

 

    初めて見る宮殿 

         ういういしい天皇、皇后さま

 

 

 きょうも「新天皇誕生」について、ブログを書いておきたいと思います。

 

 きのう4日は、「新天皇即位」を祝う一般参賀が皇居でありました。東京に転居してそれほど経っていませんが、さいわいなことに慶賀に巡りあうことが出来ました。

 

妻と一緒に出かけたのですが、昼すぎの皇居前広場は予想通り大勢の人が集まっていました。持ち物検査のあと、ロープで仕切られた場所で待機。夏ほどではないものの、カンカン照りの太陽の下、気温は25度前後に。ペットボトルに入った水があっというまになくなりました。なかには熱中症で気分を悪くして担架で運ばれる人も…。それでも私たち夫婦を含めほとんどの人が辛抱強く入場の番を待ったのです。

 

1時間半ばかり待った午後1時半ごろ、ようやく順番がまわってきました。広場から二重橋を渡って宮殿(長和殿)前広場に到着したのです。(天皇陛下らがお立ち台に立たれるのは、午前10時に始まって午後3時まで1時間おきの計6回です)

 

 到着した宮殿前広場は先に入っている人たちで既にいっぱい。私たちの到着場所は入ってすぐで、お立ち台のベランダからは60~70メートル離れたいちばん遠いところです。そこからでは、とてもお顔を拝することは出来ません。

 

 立錐の余地は全くありません。まったく身動きのできない中で30分ほど待ちました。あまりの人数の多さに“身の危険”さえ感じます。時折り、前後左右から老若男女の溜息がもれます。「これじゃ、何も見えないわよね~」

 

 ようやく2時になりました。宮殿内から出てこられた天皇陛下、皇后雅子さま、皇嗣秋篠宮さま、紀子さま、長女眞子さま、次女佳子さまがそろってベランダに立たれました。「わーっ」という声とともに、日の丸の紙旗が群衆の頭上に打ち振られています。そして、おもむろに陛下がおことばを読まれ始めました。読み終えわられると、誰かが「天皇陛下、ばんざ~い」と大きな声を発したのです。あとを追ってあちこちから「ばんざ~い」「ばんざ~い」の歓声が響きわたりました。私自身、目の前に見えるのは他人の頭と日の丸の紙旗、写真機やスマホで撮影する人の腕ばかり…。

 

ベランダの人影は何も見えず、やがてその場から去っていかれたようでした。「ああ、これが一般参賀というものか」と思った瞬間、拡声器から大きな声で群衆に指示が流れました。「入場してきた反対側から気をつけてお帰りください!」

 

 その場を動き始めるのに5分はかかりました――。

 

 けさの朝日新聞1面(201955日)は、その様子を

 次のように報じていました。(引用します)

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 天皇陛下の即位を祝う一般参賀が4日、皇居であった。即位後、公式行事で一般国民の前に登場したのは初めて。早朝から長い列ができ、宮内庁によると14万1130人が訪れ、平成の即位を祝う参賀(1990年11月)の約11万人を超えた。平成最後となった今年の新年参賀(15万4800人)よりは少なかった。

 

 陛下は皇后雅子さま、皇嗣(こうし)秋篠宮さま、紀子さま、長女眞子さま、次女佳子さま、ほか皇族方と計6回、宮殿のベランダに立ち「我が国が諸外国と手を携えて世界の平和を求めつつ、一層の発展を遂げることを心から願っております」と語った。

 

 ■おことば全文

 この度、剣璽(けんじ)等承継の儀、及び即位後朝見の儀を終えて、今日、みなさんからお祝いいただくことをうれしく思い、またこのように暑いなか来ていただいたことに深く感謝いたします。ここに、みなさんの健康と幸せを祈るとともに、我が国が諸外国と手を携えて世界の平和を求めつつ、一層の発展を遂げることを心から願っております。

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 さてこの日、参賀は全6回あったですが、私たちが入場した5回目が終わった時のこと。集まった人々が退場するのにも相当の時間がかかります。「この場にはいったいどれくらいの人が参集しているのだろうか」と私は思ったのです。1万5千人~2万人くらい? 広場の全体が見渡せないので、とてもその数を予想できません。

 

 そこににはいちばん最後の集団として入ったので、私たちが占めた場所は入り口からすぐで後ろのほうです。出口へ向かって動き始めた集団が中央あたりまで来たときのことでした(2時半くらい?)。ふと、気づいたのです。すでにその場所を去ってそこに居ないはずの人たちがベランダ近くに集まって帰ろうとしないのです。つまり、宮殿横の広場の端や列の後ろのほうにいた人が出口には向かわないで「中央前あたり」を“占拠”しているのです。その数は入場者の四分の一くらいでしょうか。「ん?」何をしているのだろうと思った私はその状況をすぐに理解しました。

 

 「そうか、帰らずに一時間後の3時にもう一度参賀に加わろうとしているのだ。しかし、そんなことをしても良いのだろうか。たぶん、毎回入れ替え制になっているはずだ。でないと、まだ外で列をつくって待っている何万人かが入れなくなる。こんなことをしてはダメだ」

 

 「運よく最初から中央あたりにいた人はほとんど帰っている。しかし、周辺や後ろにいてよく見えなかった人がここに集まっているのだ。私もそこで確かに拝顔したいが、それは出来ないはずだ」。そこで私は確認のため警備所に走り、係員に聞いたのです。「ここは入れ替え制ですね。みんな公平に参賀出来るように。でないと外で待っている人が中に入れない。しかし、多くの人が立ち止まって次のお出ましを待つようですが…」

 

 ところがなんと、予期せぬ返事が……。

 「入れ替え制はとっていません」

「すると、あとから来る人たちで入れない人が出るのでは」

「それは考えていません。次の回を待つために残る人は残ってもらって結構です」

 

 あとで、6回目の参賀に多くの人が中に入れずに帰った、と聞きました。この日訪れたのは「14万1130人」だったといいます。もし、入れ替え制をとっていたら「20万人くらい」は入れたのではないでしょうか。私は中に残ったおかげで、3時(実際は、雷が鳴り始めたので2時50分の2回目)にしっかりお目にかかりました。これを運がよかった、というのでしょうか。せっかくの参賀でしたが、私は複雑な思いで帰途についたのです。

 

 

                       (記 2019.5.5 令和元)