皇居に瑞光! 新天皇誕生のその時
「改元」の成った、きょう令和元年5月1日(2019年)。平成最後の日となったゆうべから、テレビ各局は皇居をはじめ各地のようすを放送しつづけています。
そこで、けさは早く起きて新聞(朝日新聞東京本社版)をじっくりと読みました。
まず、1面の見出しです。
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令和 新天皇即位
陛下退位「支えてくれた国民に感謝」
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そして、左に写真が。
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「退位礼正殿の儀」でおことばを述べる天皇陛下
「退位礼正殿の儀」に臨む皇太子ご夫妻
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時系列に沿って、ありのままを描写された内容でした。
そして、中央に論説が掲載されています。
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言葉の力を信じ 語って 編集委員 福島申二
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内容のある記事でした。福島さんは若い頃、たしか学芸部におられたこともあって、美的で文学的なふんいきをただよわせる文章を書かれます。ですからいつも、政治・経済や社会面を読んだあとに彼の文章を読むと、こころがなごみ、ホッとするのです。朝日らしい記者のひとりでしょう。
さて、「新天皇誕生」の記事については各人に新聞を読んでもらうとして、“おもしろい”と云っては語弊がありますが、エピソードを記録しておきたいと思います。きっと、みなさんもほほえまれるでしょう。
●1面から
改元と祝日が重なって、今年は4月から5月にかけてのゴールデンウイークが10連休となりました。まさに史上初。これを喜ぶ人がいる半面、「働く日数が減って生活が成り立たない」と嘆く非正規労働者もいて、悲喜こもごもの様相を見せています。だからといって「休日を増やさず、もっと働かせろ!」と、プラカードを掲げて街中をデモ行進するという人たちは見かけません。
さて、<朝日新聞朝刊1面>の題字の横にある「天気予報」は、きのうに続いて雨模様です。「東京」をみると午前中は「曇り」、午後は「雨」になっています。つまり、「新天皇誕生日」に青天は期待できないのです。事実、ゆうべから未明にかけての「改元時」も、テレビ画面には傘をさして歩く人たちの重苦しい空気が流れていました。そしてまた、けさも曇り。
そんな中、いよいよ「新天皇の即位式」が始まろうとしていたその時でした。なんと、新聞の天気予報にはなかった「晴れのマーク」が、東京の空を翔け抜けたのです。あたたかい陽が上空から射してきました。その後、1時間ばかり青空にかがやいていたのです。これを瑞光、瑞兆と呼ばずして何と呼べばいいのでしょうか。私は感動しながら空を眺めていました。
=写真は、我が家のベランダから見たその時の、東京の空
●8面から
その天気について、けさの紙面には次のような川柳が載りました。
「朝日川柳 西木空人選」で、第一句がこれです。
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☆お天気の忖度(そんたく)をせぬ厳しさよ
茨城県 大山 清
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評欄にこうありました。
一句、全国雨模様の平成尽。
たしかにきのうの「退位日」はそうだったのですが、きょうは違いました。
東京は「青天」におおわれ、天は十分に<忖度>したのです。
作者、選者とも、ちと早まりました、か。
★川柳にむつかしさあり空模様 (のむらりんどう)
●27面から
=写真は、<令和元年(1年)>に懸けた<R―1>の広告
明治プロビオヨーグルトが、「令和1年」と「R―1」をもじって対比させた1面広告を打ったのです。ホームページを見ると、「元号」が決まった時から温めていたようで、今日の出番を待ちに待っていたのでしょう。いやぁ、やりましたね!
こんな傑作は、宝島社が打った樹木希林さんの『死ぬ時ぐらい好きにさせてよ(オフィーリア)』以来です。
広告には、テレビコマーシャル「体調第一家族」シリーズの中で、夫婦役で共演している吉田沙保里さん(レスリング)と大森南朋さん(俳優)のふたりも登場しています。さぞや喜んでいることでしょう。ハハハ――
(記 2019.5.1 令和元)


