こちらは愛知県一宮市にある自立学習塾の塾長が普段の指導や時事ネタなどから思いついたことを書いてるブログです。(割とよく読まれている記事は↓参照)

 

 

他の塾の先生のブログのように要点を押さえて簡潔にまとめるというよりは、あまり役に立たないことをとりとめもなくダラダラ書いていることが多いので、あらかじめご了承ください。

 

上っ面な綺麗事だけを書くのはあまり好きではないため、なるべく現場のリアルから感じていることを綴っていければと思います。

 

 

今日から3月。

 

塾業界的には春期講習の募集時期でもあり、いろんな塾のチラシを見かけます。

 

特に小6から新中1にあがるステップは学習への取り組み方もかえないといけないし、それまでのほほんと過ごしているようならテコ入れもしたいところ。

 

塾としても特別に「中学準備講座」と銘打って開講するところも多いです。

 

ということで、今回は以前時期外れのタイミングでにこの「中学準備講座」について書いてしまった記事をすこしタイトルをかえて再掲。

 

 

同業者目線だと、「中学準備講座」は塾のスタンスが垣間見えるところでもあると思っています。

 
それがわかるのは数学の準備講座の内容
 
ざっくり2つに分かれます
 
あらかじめ断っておきますが、どちらがいいとか悪いとかではないですよ。
 
あくまで方針ってだけで。
 
1つは文字通り、中学1年で習う最初の単元の「正の数負の数」の予習をするところ
 
もう1つは小学校の算数で苦手になりやすい「速さ」「割合」「比」「図形の計量」などの復習をするところ
 
 
おそらく前者が圧倒的に多いし、後者も講座の後半では「正の数負の数」に入っていくことが大半かもしれません。
 
で、前者の比率が高いのは塾的にその方が圧倒的にやりやすいから。
 
マイナスの概念こそ入ってきますが、基本的には小学校で学習する四則計算ができるなら、さほどひっかかるところはないはず。
 
経営的な面でも中学準備講座は新規募集の体験的意味合いで設定されている塾も多いため、そこで「わかりやすかった~」というポジティブな感想を引き出しやすくする効果も生まれます。
 
目先の「出来るようになった感」や生徒募集を重視するなら、こちらのパターンの方がスムーズにやれて、実際に多数派になるのも頷けます。
 
一回入塾してしまえば、それなりの期間は通ってもらえるものなので、後々のことを割り切ってしまえるなら、(塾経営的には)後者よりもメリットは大きいかもしれません。
 
一方、後者のように小学生の苦手単元の復習から入るところは、内容的には復習でももう少し先を見据えていると考えていいでしょう。
 
「正の数負の数」の次にやる「文字式」では速さや割合の入った文章を式に落とし込む設問も出題されるし、その次の方程式ではどちらもド定番の、しかも差のつきやすい応用問題として登場します。
 
図形の計量も中1後半のメインですが、少し公式が出てきたり、文字を使うくらいで小学校の延長的な内容。
 
中学に上がる前にそれらをしっかり定着させておくと、後々楽になります。
 
ネックは準備講座といった短めの期間では小学校の時にそのあたりの単元が出来ていなかった子を出来るようにするのがなかなか難しいということでしょうか。
 
元々が難易度高めなだけに「やっぱよく分からなかった」なんて印象を与えてしまうと、新学期から他の塾に通われてしまう可能性だって出てきます。
 
長い目でみると効果的でもせっかくの新規塾生を取り逃がすのは卒業生が出る時期だけに避けたいところですが、それでもこちらを選んでるのは生徒数を増やす以外のポリシーがあるんだろうと想定できますね。
 
もしかしたら、「割合や速さで投げ出すような子はどのみち伸びないから入塾しなくて結構」くらいに考えているかもしれません。
 
繰り返しになるけど、どちらが良くてどちらが悪いというのではないですよ。
 
上記のように書くと、「ちゃんと長い目で考えてくれる後者の塾の方が好感持てるわ」と思われる方も少なくないでしょうが、「まずは計算だけでもやれるようになって数学アレルギーにならないよういしてもらえれば」というご家庭なら前者の方がいいことだってあります。
 
ちなみにうちの塾は個別だし中学準備講座などと仰々しく銘を打ったものはしていないため、本人の習熟度次第ですが、2月、3月入塾かつ標準的な学力の子であれば、割合や速さを一通りざっと復習してから正の数負の数に入っていきたいなとは思います。
 
やはり、そのあたりがある程度こなせないと二学期以降のところで頭打ちになるのがわかりますからね。
 
克服するのにまたどこかで時間をとるか、その後もずっとできないままになるかという感じになりやすいですし。
 
それに、このあたりのものをじっくり思考する訓練できているかどうかが中学受験組と圧倒的な差がついている部分だとも思います。
 
あと、一学期の中間テストでは小学校単元も割と出題されるから、できるならもう一度やっておいた方がベター。
 
逆に、「正の数負の数」は計算ができれば、スピードアップしてもそこそこついてこれたり、単元すすんでいろいろ計算していくうちにできるようになるので、少々後追いでもなんとかなるかというイメージ。
 
まぁ、その前の小数や分数の計算からやり直さないといけない子だとすっ飛ばしてやらせざるをえないですけどね。
 
というわけで、同業者目線では中学準備講座の数学の内容はその塾のスタンスみたいなものがちょこっと伺いしれるところじゃないかと感じています。
 
お子さんが中学に上がるタイミングで通塾を考えられているご家庭はこのあたりのカリキュラムを参考にされてもいいかもしれません。
 
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
 
 

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