私が応援しているアマオケ、アウローラ管弦楽団の第31回定期演奏会で、コテコテのチャイコフスキー第5番に酔いしれました。
この楽団、チャイコフスキーの交響曲を演奏することを目的に2009年に結成され、ロシア音楽だけを取り上げるという固い理念を貫き続けている、個性的なアマチュア・オーケストラです。
プログラム冊子によれば、今回の定期演奏会は、「30回目の節目を超えた楽団の新たな旅立ちを飾る曲として、初心に返る意味でアマオケの定番とも言えるチャイコフスキーの交響曲第5番を選びました。」
演奏されたのは次の3曲。
カリンニコフ:劇音楽「皇帝ボリス」序曲
グラズノフ:組曲「中世より」から4曲
チャイコフスキー:交響曲第5番
前半の2曲は、この楽団のこだわりが感じられる選曲。
両曲共に、こんな機会でないと耳にすることは無さそうな珍曲です。
華々しく盛り上がる箇所があり、楽員さん達の熱意も伝わって来るものの、私にとってはイマイチ魅力に欠ける、それなりの曲でした。
さて、メインのチャイ五です。
指揮の米津俊広さんのゆったりしたタクトの下、各楽章共に悠揚迫らざるテンポでじっくり歌い込まれ、オケの各セクションは、単に破綻無くというレベルを超えた、充実した熱演を聴かせてくれました。
感心したのは弦楽器のアンサンブルの良さと、管楽器奏群の音色。演奏技術向上に取り組んできた楽員の皆さん、相当な技量です。
ホルン6本の壮観さに目が釘付け!
いつも注目するヴィオラを差し置いて、ずっとそっちばかりに目が行ってしまいました
6人の奏者全員で吹くのは全強奏の限られた場面のみで、その他の場面では何人かの奏者が入れ代わり立ち代わり吹くのですが、その様子を興味深く見続けました。
気になったのは、コントラバス8人に対して、チェロもヴィオラもそれと同数の8人しかいなかったこと。
アマオケではヴィオラの数を揃えるのに苦労するらしい傾向がこの楽団にも窺えます。
プログラム冊子の挨拶文筆者が、アマオケの成熟度を図る3つのパラメーターとして、技術、個性、集客、を挙げていますが、技術と個性をしっかり実感させられだけでなく、毎回すみだトリフォニーホールが8割方埋まる集客力もなかなかのものです。
その集客手段としての切符は、今回からブロのオーケストラ並に、オンラインチケットが導入されたのには感心しました!
この楽団、今後も着実に発展して行くことでしょう。