姉の離婚 | 未知なる心へ

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統一教会入信から脱会までの日々と、脱会後の魂の彷徨。

突然、飛び込んできた驚愕のニュースだった。二つ上の姉が、今月いっぱいで離婚するという。

 

 

とは言っても、予想できたことでもあった。逆に言えば、よくここまで持ったなと思う。長女が三年前に結婚し家を出て、長男が今年就職したことで、踏ん切りがついたのだろう。

 

 

姉はパートタイマーに過ぎないから、姉一人の収入で長男を専門学校に通わせることは難しかったに違いない。なので、双方が合意の上で、長男が就職するまで仮面夫婦を続けていたのだと思う。

 

 

この義兄とわたしはひと悶着あって、関係性は良くない。過去のブログにも書いたことはあるが、一時期、わたしの紹介で同じ会社に入社し、一緒に働いていたのだ。

 

 

だが、この会社では人間関係のトラブルがあり、結果的にわたしが退職することになった。この時、義兄はわたしの側につくというより、わたしの退職を喜んでいたフシがあり、そのことはずっとしこりとなって、わたしの中に残っていた。

 

 

もともと、義兄とわたしとは人間としてのタイプが全く違う。わたしは酒をまったく飲まないが、義兄は毎晩、晩酌するタイプ。酒の力を借りないと、言いたいことも言えない人間だった。

 

 

なので、これまでも会うのはせいぜい正月だけ。そんな関係性ではあったが、いざ離婚となると、複雑な感情もある。

 

 

姉とは実のきょうだいだから、この縁は何があっても切れることはない。しかし、義兄は姉と離婚すれば、もはやまったくの他人である。今後、もう二度と会うことはないだろうと思うと、一抹の寂しさを感じないこともない。

 

 

でも、最初にも書いたが、この結果は予想できたことでもあった。わたしはこの二十数年、姉夫婦を見て「仲が良さそうだな」と思ったことは一度もない。義兄は背が高く、まあイケメンである。芸能人で言えば、ちょっと古いが加勢大周に似ている。しかし、性格はどちらかというと陰湿で、劣等感が強かった。

 

 

チビで短足のわたしから見れば、どうしてそんなに容姿に恵まれてるのに、劣等感が強いのか理解不能だった。だが話によると、勉強が苦手で親からバカ扱いされて育ったらしい。さらに高校を中退したことで、学歴コンプレックスに陥ってしまったのかもしれない。

 

 

わたしの勝手な想像では、姉は義兄の見栄えに魅かれて結婚したのだと思う。姉は中学生の頃から容姿に対する劣等感が強かった。きっと、友人たちに自慢できるような、見栄えの良い男と結婚したかったのではないか。「旦那さんカッコいいね~」と、友人たちから言われたかったのだと思う。まあ、ひとことで言えば「面食い」ということだ。

 

 

それを思えば、まあよく二十年以上も結婚生活が続いたと思う。姉はとりあえず、長男と共に実家に戻るそうだ。今は広い家に高齢の母が一人で住んでいるから、ちょうど良いといえばちょうど良い。

 

 

母は世間体を気にする人間だから、出戻りを良く思わないかもしれないが、まあ、齢が齢だから、かえって喜んでいるかもしれない。わたしと同居して嫁に気を遣うくらいなら、実の娘と暮らした方が、母も気楽だろう。

 

 

しかし、いまは長男もいるからいいが、彼が独り立ちしたいといって出てったら、姉と母だけの生活は微妙なものになるかもしれない。まあ、わたしは特に実家に執着はないから、このまま姉の名義にして引き継いでもらってもいいんだけどね。

 

 

今の時代、離婚なんてありふれているが、わがS家の一族では、叔父叔母やいとこも含めて、離婚した人は一人もいない。なので、姉が一族の離婚第一号になってしまったわけ。母からすれば不名誉かもしれないけど、まあ、仕方ないね。