先日12か月点検で入庫いただいた日産 モコ MG22S。
工場長が一通り作業して、灯火廻りの点検のためエンジンをかけようとしたらウンもスンもいわなくなってしまった。
全く電気が通っていないようで、バッテリーを外した時と同じ状況だ。
メインヒューズが切れたとしか考えられないが、もちろんショートはさせていない。
メインヒューズを溶損させるには、バッテリー交換時にプラスマイナスを間違えるか、常時電源が通っているオルタネーターかスターターモーターのB端子をショートさせるくらいしかない。
その時には強い火花がバチッと飛ぶからすぐ分かるし、オルタやスターターを外す時にはバッテリー端子を外すのは常識。
今回はベルト調整だけだったからバッテリーの端子は外してないが、調整時に工具が触れるような位置にオルタのB端子はない。
それでもこれはメインヒューズが切れてるとしか考えられない。
この車のメインヒューズはバッテリープラス端子側に付いている赤い箱の中にある。
取り出してみると、ショートで溶損というよりは、亀裂が入って断裂したかのようになっていた。
他にも似たような切れ方の例がないか検索してみたらAZワゴンで出てきた。
この車はエンジンがかからない時があるというので入庫したが、しばらくは症状が出なかったそうだ。
数日預かっているうちに症状が出て、プラスのターミナルをいじるとリレーがカチャカチャしてイグニッションONとなるが、室内に向かおうとするとまた電源が落ちるので、からかわれているような気分になったそうだ。
お預かりしたモコも多分これと似たパターンで、これまで運良く通電してたのだと思う。
それが弊社にとっては運悪く、入庫した時に限界が来たと。
お客様にとっては運が良かったともいえる。
出先でこうなったらレッカーを頼むしかない。
入庫中の出来事だからヒューズ代も工賃も全て弊社で持つし。
メインヒューズ交換後、バッテリーに端子を接続する前に、念のためサーキットテスターで配線がショートしてないか確認。
大丈夫だったので接続して無事復活。
いや~、参った参った。
日産モコはスズキMRワゴンのOEM、マツダAZワゴンはスズキワゴンRのOEM、そしてMRワゴンとワゴンRは見た目は違うけど中身はほぼ同じ。
経年劣化で亀裂が入る(と思われる)メインヒューズとは…。
スズキさん頼んますわ。
ちなみにユーザーさんが自分で整備中、B端子のショートで溶損したワゴンRのメインヒューズの画像も見つけたので貼っておきます。
この小さい画像でも確認できるくらいに、しっかりと隙間が空いてます。
ショートしてヒューズが溶けると、普通こうなるんですよね。