( お! )
岩撃ちエリアを壊滅状態にしていた砂は殆ど流されていた。
何年も前の良かった頃のように、あわよくば大きく緩やかな反転流が復活してくれることを期待していたが、それは叶わなかった。
これまでも大増水する度に期待してきたけれど、あれから反転流が復活したことはない。
ああ、思い出してきたぞ。
この川に通い始めた頃は、お約束ポイント側からは藪が濃くて岩撃ち&瀬尻エリアには行けなかったんだ。
500mくらい上流の斜面から川に下りて瀬尻に入っていた。
距離があって大変だったし、水位によっては辿り着けなかったから、頻繁に入れるポイントではなかった。
それが、藪が伐採されてお約束ポイント側から行けるようになり、確か台風による大増水後に岩撃ちエリアに大きな反転流ワンドができ、それから数年は良い思いをさせてもらえた。
そして台風でワンドの岸が崩れて反転流が消え、水位にシビアなポイントになってしまった。
良い状態の期間は長くなかったから、奇跡的に出来上がった地形だったのかもね。
岩間の流れや岩陰を撃っていく。
すると、実績のある岩の所でラインが動き始めた。
(よっしゃ!)
ロッドがしなる。
しかし、1本目ほどの手応えではない。
ガンガン寄せて浅場へ引き上げた。
短時間で取り込んだから魚はまだ元気で、なかなか口に指を入れさせてくれなかった。
綺麗な黄金色をした、体高がある30cmクラスだ。
こちらは流れ方が変わっていた。
上の中州が随分と削られており、岸寄りに砂が堆積している。
砂は増水すれば流れる程度だからまだ良いが、瀬尻の底が変わっているように思える。
やってみると、魚の居場所になりそうなスポットが見当たらない。
(ダメっぽいな)
悪くなることもあれば良くなることもある。
今後も経過観察していこう。
岩撃ちしながら引き返した。
腹具合の心配がなくなったので、おにぎりを食べてからお約束ポイントの対岸に入った。
ここも砂の溜まり方が変わっていた。
岸の削れ方から想像すると、下流側に強い反転流が発生していたようだ。
ざっと流してみたけれど反応は無く引き返す。
その途中で同類アングラーとすれ違った。
挨拶して話してみると、お約束ポイントの対岸は最近割と良かったらしい。
自分とは違う攻め方をしているのだろうね。
そういえば去年にミノーで流心を狙っていた人がいたけど、ああいったこともやってみた方が良いのかも。
最後はお約束ポイントに再挑戦。
天気予報通りに晴れてきた。
しばらくはヤマタヌキを投げていたが、日が射してきたので底寄りを探ってみようと、久々にスワンプネコに替えてみた。
流れ方がやっぱり前とは変わっている。
右の沖へ投げたスワンプが左へ運ばれない。
それに、最近小さくなっていた逆V字ゾーンが復活しつつあるようにも思えた。
そんな逆V字ゾーンで違和感を覚えてフッキング!
まるで根掛かりのような手応えにロッドが大きく弧を描く。
( キター! )
( アイツか!? )
流心に入らせないようにしなくては!
ポンピングして引き出しにかかる。
( !? )
ビクともしない。
( う~ん… )
根掛かりそのものだった。
これを機にワームをヤマタヌキに戻す。
流されにくいスポットへ流れに運んでもらうようにしていると、1本目と同じ辺りで、
( ん )
押さえ込みバイト。
巻き合わせ。
[ぐいん]
根掛かりのような確かな重みがロッドをしならせる。
今度は魚だ。
まあまあありそう。
今度こそアイツかもしれない。
慌てず無理せず確実にキャッチしてやる。
川から上がり、水際から離れる。
この魚も他の魚と同様に左側へ向かっていく。
その先にある強い流心には入らせたくない。
ロッドを操作して魚の進行方向をこちらへ向ける。
そして方向転換の勢いに乗せて右向きにさせた。
そのまま右の流れに入るかと思ったら、再び左へ動き出す。
こちらも再び方向転換させる。
なかなか浮いてこない。
念のためドラグを緩める。
引きは重厚。
きっとアイツに違いないと思えてきた。
魚はまたもや左へ向かう。
自分も負けじと右を向かせる。
こんなやり取りをしばらく繰り返した。
とにかく魚が左へ行きたがるので、ランディングポイントを左寄りの岸に決めた。
右へ向かわせた魚が左へ向きを変え、逆V字ゾーンに入ろうかという辺りで岸に引きずり上げた。
粘り強く重い引きの印象が強く、ドラグを鳴かされたかどうかの記憶が定かではないが、丁寧にファイトしたとはいえ、二度三度は鳴かされていても当然と思えるパワーだった。
(よっしゃよっしゃ)
そのパワーに見合った立派な体格をしている。
メジャーシートに乗せる。
(おっ!)
(んん?)
ほとんど50cmだけど、尾びれを目いっぱい広げると2mmほど足りない。
前回と前々回に釣れた50弱よりは大きいし、広げた尾びれが戻った状態では50のラインを超えている。
泣きの50ってことで良いかな(笑)
重さは1970g。
この魚は朝イチのアイツなのか、それとも別個体なのか。
健康的な体格は確かに似ているが、アイツはもっと大きかったようにも思える。
逆に、いきなり50クラスを近くで見たので余計に大きく感じた可能性も否めない。
…ま、いいか。
50絡みが2本も釣れたんだ。
ここに入り直して本当に良かった。
その後、急に雲が増えて曇天になった。
ローライトになったから釣れ続けるかもしれないと期待したら、意に反して次の当たりが全くこない。
天候変化の直前に食いが立ち、変化後に収まるパターンのようだ。
そのまま11時頃まで続けたが何も起こらず、納竿にした。
何か知らんけど、このところ大型づいている。
ラッキー以外の何物でもないが、ヨンパチ超えがこんなに釣れるなんて。
この調子で55クラスが釣れないかな…。





