『中部電力の保安をしてます○○の××ですが動力の点検にうかがう日時を云々かんぬん』
という電話が時々かかってくる。
『動力』とは簡単に言ってしまえば業務用の電気。
高圧(6600V)と低圧(200V)があって、ウチのような町工場はたいてい低圧。
調べて分かったことだけど、低圧動力の契約方式にはブレーカーの容量で契約する「主開閉器契約」と、個々の電気機器が使用する電力を合算して契約電力を算定する「負荷設備契約」の2種類がある。
同時に使う機器の数が少ない場合はブレーカー方式が有利で、もう一方は逆の場合に有利となることが多いらしい。
ウチはブレーカー方式の3kwで契約している。
機械の同時稼働も少ないし、力率は80何%(基準が85%)だから特に問題もない。
力率とは消費電力に対する有効電力の割合で、85%より高いと電気料は割引、低いと割増になる。
点検の名目は契約が使用状況に適しているかどうかの調査。
しかし、本当の目的は節電に関する装置の売り込みと思って良い。
今は違うようだが、昔は3kwが最低の料金で、それより安くならなかったと記憶してる…のだけど思い違いかもしれないのでここは信じないで下さい。
でも実際に、『動力の電気料金の見直しを…』という電話は『ウチは3キロですが』と言えば、ほぼ100%撃退できた。
つい最近の話では、中電の保安課を名乗る男から電話があり、翌日の午前中に来るという話になった所で念のため、
「ウチ、ずっと3キロでやってきてるんですけどね~」
と言った途端に
[ブツッ]
切りやがった。
ちなみに、ディスプレイに表示されてた電話番号を検索したら、迷惑電話のサイトにタレコミがあるものだった。
こんな風だから『3キロです』と言っておけば良いと思っていたけど、調べているうちに理由が何となく分かってきた。
どうやら事業者の多くは契約をブレーカー方式ではない「負荷設備契約」でしているらしい。
しかし同時に複数の機械が稼働しない場合は、先に述べたようにブレーカー方式の方が安い。
だから「負荷設備契約」している業者を調査して「主開閉器契約」の方が適してる場合には切り替えるようにすすめ、それに乗じてブレーカーを売り込もうというのが『動力の点検』の目的なのだと思う。
『3キロです』で撃退できたのは、そのことで既にブレーカー方式になってることが分かるからではないか。
そう思えてきた。
力率がどうたらと食い下がる場合もたまにあるので、そんな時は『力率85%前後』と言って撃退。
低い数値を言うと、改善できる機械をすすめてくるかもしれません。
設備によっては3kwでは明らかに足りずに突っ込まれるかもしれないので、その辺は各自適した数値にして下さい。
現状で問題なくて、電話の相手するのが面倒な人は御参考に。