思うに、世の結婚を意識したアラサー女性は、契約社員など
そういう対象にはまずしないだろう。絶対ないな。
うん、間違いない。
その上、安月給で中途半端な障害者でなんの取り柄の
ないおっさんなど考えられないであろう。
木曜の夜、彼女に会うまでの私のマイナス思考は膨れ
上がる一方でした。
私が契約社員であることをカミングアウトしたあと
彼女の答えがこの日出ないにしろ、この夜が最後の
つもりで、誠意をもって、また今まで以上に楽しませて
あげようという思いで接しました。
食事も普段行く回転寿司ではなく予約しておいた
普通のお寿司屋に連れて行きました。
この日の彼女はこれまで以上に笑顔も多く、食事中も
盛り上がり喜んでいました。このあと彼女の気持ちを一気に
冷ませ、不安にさせることを告げないといけないと
思うと切なく感じ、カミングアウトせずこのまま付き合って
しまおうかと、悪魔のささやきも・・・・。
屈託のない彼女の笑顔をみると裏切るような気持ちに
なっていました。
お寿司屋を出た後は海の見える港へと、車を走らせました。
この日に限って、彼女のテンションは高め、自分もブルー
な気持ちを押し隠し、オヤジギャクを連発。普段スルー
する彼女が反応してる( ̄ー ̄;
そして、錦江湾の大海原を前に車を止めしばらく
たわいのない話をし、一瞬沈黙が訪れた時に
勇気をもって「ところで、話変わるけど実は自分・・・」と
切り出しました。自分の心臓の鼓動をこんなにも感じた
ことはありませんでした。
今の収入など全てを告げたあと、黙り込んだ彼女の顔を
覗き込みました。
すると、なぜかニコニコしたままでした。( ̄□ ̄;)!!
そして彼女の口から
「契約社員で何か問題があるのですか?
今の時代正社員の方が少ないのではないですか?
それに体を壊してから以前の会社辞めたのだから
しょうがないですよ。働けるだけで十分で
はないですか?私も給料少ないですよ」と
私は何か込み上げるものを感じ目頭が熱くなりました。
その後しばらく何を話したか覚えてません。
知りあって二ヶ月と少し、今まで告白などせず付き合って
来ましたが、私はあらためて彼女に好きであることを
告げ、これからも付き合ってほしいと告げました。
彼女は「これからも、よろしくお願いします」と
言ってくれました。
小柄な彼女の大海原のような広い心に
包み込まれたような一夜でした。
私は色んな意味で責任を感じ、彼女を大切にしようと
誓いました。