きのうの続き
妻のパーキンソン病で、直近の記憶障害がなぜ発生するかを考えた。
運動機能がだんだんと回復してきたころでも、直近の記憶がなくなることがあった。常に直近の記憶がないわけでなく、時々あれ?と思う記憶が飛んでいることがあった。
記憶の飛んだころでも、会話も受け答えができるし、こうしてというとその動作ができる。
一時的健忘症のようで、発症したり回復したりする。
一時記憶の海馬が、記憶を貯蔵する大脳皮質か、両者の連携か、どこかにうまくつながらないところがあるように思った。
完全な障害であるなら、発症と回復を繰り返すことはないだろう。
では、うまく働かないだけなら、これもマッサージで刺激することで良くなるかもしれない。ほかにできることはないのだ。
最初のころは、脳や脳幹を刺激することを考えた。
頭皮、顔、三叉神経、頸部の自律神経や動脈を刺激した。
1か月では全く効果は現れなかった。
これでよいのかを自問しながらマッサージを続けいたが、ふとパーキンソン病の患者の脳細胞には、異常なタンパク質が線維状態で蓄積するという記事を思い出した。異常な物質の蓄積ということは、本来排泄されるべき物質が残っているからと仮説を立てた。
脳の老廃物をうまく回収できなくなっているなら、老廃物の流れを良くすれば改善するのではないだろうか。
子どものころ、遠足に行った日の夜に寝ていて足が痛くて泣いたことを思い出す。母が、遠足に行ったらお風呂で足を良くもみなさいといったのに、といいつつ足をもんでくれた。足の疲労物質の分解回収ができてないので痛みとなった。
これと同じようなことが、脳内で起こっている。
そこで、血管とリンパ管、リンパ節のマッサージを追加した。頭と顔に頸部、鎖骨近傍のマッサージに10~15分かけた。
これで、老廃物を含んだ脳脊髄液の回収が正常になり、新しい血液が送り込まれることで、記憶障害も改善するかもしれないと続けた。
これが効果があったのか、自己治癒によるのかは不明だが、半年ほどで、短期記憶障害は解消した。
老廃物の回収が功を奏したのであれば、70年前の母の話のおかげである。「親の意見と茄子の花は千に一つも仇はない」と亡くなった母が言っていた。