番外編「学校能楽鑑賞会」スタッフレポート | 能meets

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観世流能楽師 林本大による
わかりにくいからこそ面白い能の、わかりやすく「濃密」な講座。
「能が皆さまに会いに行く」をモットーに大阪・東京で定期開催。
全国展開中!
スタッフ運営。

6月の平日三日間大槻能楽堂様にて

大阪市内の高等学校の能楽鑑賞会がありました。

 

こちらは林本先生に依頼があり、大の会スタッフも数名で三日間に分かれてお手伝いに行かせていただきました。

 

1年生から3年生まで各学年に分かれて三日間。

どの日もとても印象的な公演でした。

先生はこちらの学校でもう10年以上、音楽の授業として1年生に特別授業をされているそうです。

 

 

最初に、仕舞がいきなりはじまり…

そこから林本先生のご挨拶

 

 

そこからお囃子の解説

能面体験

お囃子体験

 

休憩を挟んで
狂言「仏師」
「安達原」
 
この番組
とっても贅沢で、鑑賞の反応を含めて本当に素晴らしいと思いました。
 

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スタッフ陣は受付にいて、体験の方の誘導や説明などをしていたのですが、皆さん見所(客席)に入ってすぐに感嘆の声をあげていました。
ほとんどの方が初めて能楽堂に足を踏み入れるようで。
私自身も初めて能楽堂へ入った時の感動がよみがえりました。
 
一瞬にして非日常の世界に触れる瞬間です。
あぁそうだったな「場所」ですでに圧倒される体験が出来るのが能楽堂、能舞台なんだと。
思い起こされました。
だからこそ、この初めての出会いが良きものになればと、もう入場の段階で思っていました。
 
そこからの、先ほどの番組
いきなり始まる「仕舞」
これで既に「え?」と
わからないなりに、興味を惹く、なんだろう、と思う。
いわゆる「つかみ」や「まくら」ですね。
そこに林本先生が出てこられ能の簡単な説明をされます。
 
その中で印象的だったお話が
能を観るのが初めての方、といって99%ほど、ほぼ全員が挙手。
数名は観たことがあるようでしたが…
「ほとんどの方が今日初めて、能をご覧になる。ゼロがイチになる日です。
 
そうです、今日ですべてがわかって大好きになる!
という人もいないとは断言できませんが…
 
ほとんど人が全てを理解できず、疑問も残るでしょうし
好きじゃないと思う人もいるかもしれません
でも「能を観た」という経験になる。
 
ここから始まると思うと、その責任を林本先生がしっかりと胸に置き番組をつくり、他の先生方に依頼をされている事がわかります。
皆さまに配布されるパンフレットにも、先生の言葉で解説が書かれていて、更に能meetsの講座でもお話されるような「多面的な見方」にも少し触れられていました。
 
仕舞では圧倒され
解説を聞き
体験で自分の友達が舞台に立つのを楽しく観て
狂言で笑い
そして、能で…わからないこともありつつ、安達原後半では振り返ってまで橋掛の動きを追いかけている姿を見て、こちらも嬉しくなりました。
三日間とも太鼓方の先生が、太鼓の登場の意味を話してくださっていたので、生徒の皆様もそこでグッと興味が沸いたようでした。
 
どの日も、終わって全ての能楽師の先生が退場されたあと、湧くように拍手が起こっていました。
もちろん全てを理解して…というわけではないかもしれませんし、中には寝ちゃってる人もいたでしょうが
この中に興味を持って、また能楽堂へ足を運んでくれる方が、今日の思い出を家族や友達に伝えてくれる方がいたら、本当に嬉しい事だと思います。
まずは知って、そして興味を持つこと。
出会っていただかないと、始まりもしません。
企画をされた学校の先生方、ありがとうございました。
担当の先生もとても積極的にお話をしていただき、素晴らしい鑑賞会が実現しました。
お力をお貸しくださった能楽師の先生方もありがとうございました。
 
能面体験をした生徒さんに帰り際話をする機会がありましたが
「あの視野であれだけ動くなんて信じられない!」と興奮気味に話されていたのが印象的でした。
自分で体験する、生に、本物に触れる。
そういった機会があることがとても大切で、生徒の皆さまが羨ましくも思いました。
 
 
大の会ではこういった鑑賞会のお手伝いもさせていただいております。ご興味ある方は是非ともご相談ください。
noh_dai05@yahoo.co.jp