能meets新橋「自然居士」 スタッフレポート | 能meets

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観世流能楽師 林本大による
わかりにくいからこそ面白い能の、わかりやすく「濃密」な講座。
「能が皆さまに会いに行く」をモットーに大阪・東京で定期開催。
全国展開中!
スタッフ運営。

6月26日能meets新橋「自然居士」解説

を開催しました。

 

前日は武田宗典之会音声ガイドを勤められた林本先生、いえ、仕舞や舞囃子の地謡も勤められ、東京のお舞台でたくさん先生のお姿が拝見出来ました。

更には、能meets新橋の講座後に「安宅」を拝見してくださったお客様もいらして、とても嬉しかったです!

音声ガイドは、あらすじだけでなく、お能の魅力や宗典先生への敬意を含んだ内容でした。

舞台が終わった拍手のあと、林本先生が音声ガイドの終了と感謝を告げられた時、スタッフの目の前のお客様がイヤホンを外す前に拍手をされていたことに感動をしました。

 

そんな翌日が本日の能meets新橋。

今回の自然居士、まだ先生ご自身が勤めていない曲ということで、大変苦戦をされていました。

安宅の音声ガイドの資料もだいぶ悩まれており、並行して進めていた自然居士もレジュメも、実はいったん出来上がったものの、何やら先生の中で納得いかず、調べてみると…作り直し!となったようです。どの部分でなにがどうなのかは詳しくは聞いておりませんが、当日の講座会場入り時間ギリギリまで作成されていたようです…。

 

そんな悩みに悩みぬかれた自然居士。

いつもは準備をしながらもスタッフ陣と談笑をしたりもされるのですが…今日は話しかけられない空気で、直前まで謡、型のチェックや、道具のチェックもされていたほどでした。

受付直前まで先生の控室から、謡の声がこぼれていました。

 

 

さすがにスタッフ側もドキドキしてきた本日の解説。

 

いつものように、まず自然居士の能を観る前の予備知識。

(自然居士が人の名前だったとは…!)

そしてお能の始まり…独特のルールや見方を含めながら進めていきます。

 

いつもとは違う始まり、しかも流儀によって違う演出、

かつてはあったけど今はない台詞、

もうすでに枝葉に分かれていく解説。

確かにすべてを網羅しようとすると大変な曲だろうということが、ここですでに想像できます。

 

 

お話が非常に面白く、能には珍しくというと語弊があるかもしれませんが、登場人物の設定からいつものパターンではないんですね。

これから一体どうなるの?と解説ながらに思い聞いていました…

 

また、いつもとは違う「うちあわせ」の方法「装束の裁きかた」

人によってやりっぷりが違うという解説に「観たい」という気持ちが高まります。

今日は動きや道具も面白い使い方があり、お一人での解説も

「今は〇〇やってます」などと注釈を入れつつ進められていました。

 

 

台詞がとても面白い曲だと感じたので、解説を聞いて「知って」から見るからこその面白さがありますね。

今日聞いたやりとり、実際の舞台ではどうなるのか…

また大変動きも多く、それもまた楽しみです。

 

 

 

舞やそのほか色々な動きややりとりが自然居士と人商人の間で繰り広げられます。

 

ここでもまたひとつ「烏帽子が〇〇ということは、こう考えられますね」と後でわかる伏線(と言っても普通に見ていては気づかないものですが)

流儀によって言う台詞言わない台詞による違い。

それによっておこるお話の終わらせ方の違い、使う道具の違い。

道具の有無の意味、それをどう捉えるかという話。

 

多岐にわたって演者によって違うものなのだというお話…これは是非とも色々な方の舞台を観てみたいですね。

実際に昨日拝見した安宅は、スタッフの中には7回目の安宅だったものもいましたが、どれも違うという感想でした。

 

観阿弥の作品である自然居士

古い曲です。だからこその珍しさと面白さがあると先生は仰いました。

 

そして演者による考え方の違い…

観阿弥の自然居士への想い、そこからうまれる設定の変化

そういった背景を知って観るとまた違う想いが起こりそうです。

多面的に能を見る難しいけれども面白い部分が詰まっていました。

 

昨日の武田宗典之会や、先日の林本先生が依頼を受けた学校公演もそうですが、しっかりと準備に準備を重ねて、お客様を迎えることの大切さ、そして、それがあるからこそ喜んでいただけるのだと今日の講座を見て改めて思いました。

 

荷物が多くなろうが、必要な道具は必ず持ってこられます。

一番重く嵩高い拍子盤まで今日は使わないのに持ってこられていましたが…

レジュメもどれだけ大変でも必ず納得いくまでつくられます。

見ていても大変です、でも皆様の反響や、それが能舞台に繋がっていくことが一番の喜びなんだと思います。

だからこそ手を抜くわけにはいかないんですね。

スタッフもそれに応えないわけにはいきません。

一人でも多くの方に見ていただきたいです!

講座も舞台も。

 

 

こちらの自然居士は、7月9日(日)第二回樂之会武田祥照先生が勤められる曲ということで林本先生が解説に選ばれました。

チラシも想いのこもったものですね、しっかり宣伝を今回も。

こちらでは林本先生も仕舞の地謡を勤められます。

樂之会の詳細はコチラ

 

 

次回能meets新橋

11月20日(月)19時

まだ内容が未定ですのでお知らせさせていただきます!

少し開きますが皆さままたお越しください。

 

その間実は東京には7月~9月まで毎月来ておりまして、他の催しの準備です…それは

10月7日(土)13時半

能meets殺陣東京

代々木能舞台

 

東京での初めての催しです!!

大阪で好評だった能の斬り組(キリクミ)をお稽古し、発表までしていただく人気企画です!

 

当日は「夜討曽我」の曲解説もします!

 

11月3日能meets能「夜討曽我 十番斬」

に向けての能meets殺陣東京

お待ちしております!

 

能meets殺陣東京のご予約はコチラ

※6月26日10時から予約開始