採卵当日
ドナーをしていることは
誰にも言っていなかったので
送り迎えをしてもらえる人がおらず
クリニックの人の指示に逆らい自分の車で行きました。
コーディネーターさんは
さすがに帰りは車を運転させられないということで
クリニック近くのホテルを手配してくださいました。
朝8時
クリニックにつくと
いつもとは違う部屋へと案内され
着替えるように言われました。
いつも使っているきれいな待合室と診察室とは雰囲気が違い
殺風景な病室(待機室?)でした。
カーテンで仕切られ ベッドが5個くらいずらりと並んでいました。
隣にも若い白人の女の子がいました。
不安そうな顔が印象的でした。
私の眠そうな顔をみて
コーディネーターさんと看護婦さんが冗談を言ってきました。
私は緊張していましたが
平静を装い 明るく振舞っていました。
体温を測り 少し待つように指示されました。
しばらくすると
看護婦さんに手術室へと連れていかれました。
手術室の中までコーディネーターさんが付いてきてくれました。
コーディネーターさんが
「すぐ終わるからね。リラックスしてね」
ニコリと笑ってくれました。
スタッフがフレンドリーに挨拶をしてくれ
手術台に乗りました。
ここからの出来事は一瞬でした。
手術台に手足を固定され
マスクを付けられました。
同時にぶっとい針で 麻酔が打たれました。
「痛い 痛い 痛い!!!」
叫ぶと
「それは薬が効いてきてるということ。大丈夫だよ」
と医師だか看護師だかに言われました
そして
すーーーっと意識が薄れていきました。
息苦しくて 痛くて 何が何だかわかりませんでした。
++++++++++++++
気づくと
ベットの上でした。
一瞬どこにいるかわからなくて
ぼーっとしていました。
あれ?さっきまで手術台に居たのにここどこ?
ああ、終わったのね。
徐々に状況が把握できて
突然 腰とおなかに激痛が走りました。
様子を見に来てくれた看護婦さんに訴えると
すぐ 薬を打ってくれました。
不思議なことに
なぜだか 涙が流れてきました。
嗚咽が我慢できないくらい
泣いて 泣いて 泣きました。
全身麻酔から解けたときに
よく見られる症状だそうですが。
安心したのか、急に寂しくなったのか
気持ちが混乱していました。
泣き疲れて
もう一度 眠りに着きました。
起きると
コーディネーターさんがいました。
無事に採卵が終わったともう一度日本語で説明され
待合室に移動。
そこで少し話をしてから
謝礼金とレシピアントさんからの手紙をいただきました。
そして先生とスタッフに挨拶をしました。
コーディネーターさんに ホテルまで送っていただき 別れを告げました。
このころにはコーディネーターさんとだいぶ仲良くなっていたので これで会えないのかと思うと 寂しかったです。
部屋に行くと
無性にお腹が空いてきて
さっきもらったサンドイッチをむしゃむしゃ食べました。
レシピアントさんからの手紙を読んで
すごく感謝されていること
どんな思いでこのプログラムに参加しているかを知って
少し気持ちが楽になりました。
そして
ちゃんと赤ちゃんができればいいなと。
疲れていたのですぐ寝ることにしました。
そして寝る前に
また泣きました。
+++++++++++++++++++++++++
採卵から1週間の間 さらに辛い 辛い 腹部の痛みとだるさに襲われました。
仕事を休まなければいけませんでした。
覚悟はしていましたが
耐え切れず、コーディネーターさんに電話してしまいました。
採卵後の痛みについてほとんど説明がなかったので・・・・。
とりあえず 処方されてた痛み止めで乗り切りました。
通常の生理が来るまで痛みは続きました。
+++++++++++++
レシピアントさんは結局
妊娠できなかったみたいです。
私の卵子が悪かったのではなくて
彼女の体質のせいだとききました。
正直、残念でした。
私の卵子のいくつかは
まだ凍結されているらしく
彼女の治療が終わり次第
もう一度チャレンジしてみるとのことでした。
上手くいったら連絡ください と言ったのですが
未だに連絡が無いということは・・・・・。
もし、成功していたとしたら
もう赤ちゃんは生まれたのかな?
倫理的にどうとか
いろいろあるけど
私の遺伝子を受け継いだ子が
どこかにいると思うと不思議です。
自分が親だという自覚はないし
その子の親だって言える立場でもありませんが
どこかで幸せでいてくれればなと
無責任ながら思う 今日この頃です。
おわり