渦〜四つの渦が螺旋状に上がり、一つとなる。 | この辺りの見所の者

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気ままなブログです。


昼過ぎに秋田県湯沢市の実家を出て土崎アパートへ。エアコンとサーキュレーターは無敵。


先週の即興庭園を観た後に燃え尽き症候群に陥った。

↓その時のブログ


即興庭園に出演していたダンサーの加賀谷葵さんと渡部悠さんも「渦」にも出演。

「渦」は加賀谷葵さんが主催のダンス・演劇・朗読・音楽のアラカルト公演。やはり順番をどうするのかが気になった。


1.『麦ゐ』

作・出演  ちもいぬ(田中太郎aka犬dogg✖️小野地瞳)


2.『あなたはわたしのオレンジの片割れ』

振付・主演 渡部悠


3.『諸星五郎の憂鬱』

演奏ユニットRHマイナス6

出演 藤森真司 奥山武久 本間稜(ゲスト出演)

脚本 今野仁

楽曲制作 江畑邦彦

スタッフ 伊藤重喜 横山和彦 赤須貴子


4 『無音檸檬』

作・主演 安達香澄✖︎加賀谷葵✖︎早坂葉✖︎フジワラマリ



「渦」スタッフ

音響・照明 今野仁

舞台サポート 伊藤重喜、加藤順平、山口美里、蛭田結



『麦ゐ』

キーボードでピアノが静かに鳴って、時折音程をいじってやや低い調子になってから、見た目は正岡子規のような風貌の田中太郎aka犬doggさん登場。空間を圧縮するかのようで、身体の密度がインナーマッスルが濃い。序破急の様に進んで行き、身体の切れ味の鋭さに驚嘆。切れ味鋭い日本刀の様に空間を切り裂き、皺を残さない。


『あなたは私のオレンジの片割れ』

渡部悠さんは先週の即興庭園の素晴らしさを知っていたけど、ソロは身体の密度圧縮の強さとキレが印象的。音楽がパーカッション的からアフリカ風の太いリズムに変わってからのダンスの変化にも眼と耳が奪われる。強いグルーヴがあった。


『諸星五郎の憂鬱』

くだらねーくだらねーくだらねー(褒め言葉)

楠瀬誠志郎の〈ほっとけないよ〉を口ずさむ場面で、くだらねー(褒め言葉)と思った。

アニメ始め、様々なジャンル風の音楽で男鹿を連呼するバカバカしさ。嫌いじゃない。オリジナル音源を作れるのはRHマイナス6の強みだよなぁ。中通ヒルズのスター、本間稜さんは、巻き込まれるキャラはハマっているなぁ。狂気とまともさが優しく入り混じる独特の雰囲気を醸し出している。キャラ濃いわ。


『無音檸檬』

先日、フジワラマリさんとOVOのコラボからの発展形に思えた。

↓その時のブログ



フジワラマリさんの複数の短歌をフジワラマリさんが2週するように朗読。ラッパーとDJも兼ねている早坂葉さんの音源はノイジーのなかに、フジワラマリさんの短歌を様々な人が読んで吹き込んだ音源を切り取りしたり編集してループ。そうフジワラマリさんの短歌のループを朗読、音源、ダンスで表現しているように感じた。ループしているかといって同じことをループしているわけではなく、螺旋状の様に展開するループ。早坂葉さんがラップをし始めて、加賀谷葵さんと安達香澄さんの2人のダンサーが、生きている言葉の喜びをダンスで放射するように表現。ループの空間をループを螺旋状にして変えていった。ラストはフジワラマリさんの朗読。静かに空間も消えていった。

歌を言葉にする。言葉にして空間で音が振動し始め、意思のある言葉、無い言葉、それからの展開をループして渦になり螺旋状とならバベルの塔のように築き上げる。そんなイメージが浮かび上がった。


四つの渦が螺旋状に舞い上がり、ひとつとなった。それが「渦」。