ツァグロゼクのブルックナー交響曲第七番 | この辺りの見所の者

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ずいぶん遅くなりましたが、2/22日にサントリーホールでの読響定期に行って来ました。
読響は、池袋の芸劇で故 スクロバチェフスキのシューマン交響曲第4番を聴いて以来。

指揮者のツァグロゼクは、昔テレビでN響での運命を聞いて気になっていた。ようやくタイミングが合った。

▽リーム
Ins O ffene

現代音楽で、奏者がオケの背後の席の両端にコンマスの日下さんはじめヴァイオリン奏者。二階席正面の前と二階左右の客席に金管と打楽器奏者?が配置。

アンビエントな音響だと思われるけど、音響の響きの色彩を楽しむ。不協和音でも自然の音の様で不快な感じではない。
後半の弦は虫の音の様に聴こえた。空気は終始、凛とピリめ。

▽ブルックナー交響曲第7番 ホ短調
ブルックナー交響曲第7番は、初めて聞いたブルックナーの交響曲は7番。実家にあったフルトヴェングラー指揮ベルリンフィルのレコードを聞いてから。

幾度も聴いて来たけど、ツァグロゼクのブルックナーは衝撃的。
第1楽章のトレモロからサラサラとしたテンポ。ツァグロゼクは曲の構造をハッキリと骨太な線で組み立てをしている。
第2楽章のアダージョから弦の響きが歌であり呼吸になる。構造と哀悼のバランスの良い演奏。読響って、こんなに良いオケだっけと思ってしまう。ワーグナーチューバの切なさも染みる。

第3楽章のスケルツォは超快速。斬れ味抜群。
第4楽章。ブルックナーの7番は後半2楽章が弱いと思われて来たが、4楽章も尻すぼみにならず、オケの集中力が最後まで切れない。後半2楽章のグルーヴ感をツァグロゼクは見事に読響から引き出していた。

また、指揮者もオケも、そして観客もゾーンに入っていたのではと思わるサントリーホールの空間。その場に居合わせた幸せを感じざるを得無い。

終了後、ツァグロゼクがタクトを下ろして瞬間にブラヴォーの嵐。一般参賀(指揮者のソロカーテンコール)でスタンディングオベーションが起こった。

一般参賀は、自分は朝比奈隆指揮の時以来の経験。

自分もゾーンに入っていたらしく、オケの細かな音がよく聴こえた。ホルンやフルート奏者が特に印象に残った。