今年初のクラシックは山響ユアタウンコンサート南陽公演 | この辺りの見所の者

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今年初のクラシックのコンサートは、山形県南陽市にある、シェルターなんようホールでの山形交響楽団演奏会。
ゲストにはオペラ歌手の中丸三千繪さん。
秋田県湯沢市から山形県南陽市までは、在来線乗り継ぎで3時間半くらい。
赤湯駅から雪が降るなか、
徒歩15分くらいで、シェルターなんようホール到着。

シェルターと言う山形の木造建築会社が建設したホール。音響には、今回の演奏会の指揮者である飯森範親氏や坂本龍一氏が関わって、今年で4年目を迎えた。
前日に電話予約したら、2列目の端の席があったので、中丸三千繪さんを間近で観たいというこもあり、そこの席にしました。

最初は、ベートーヴェンの運命。
オケの楽器はピリオド楽器。ティンパニも、小さめで後で調べたらバロックティンパニらしい。

ピリオド楽器のオーケストラの演奏をナマで聴くのは初めてだ。

モダン楽器と比べると音量では差があるけれど、ピリオド楽器でオケの配置も、モーツァルト、ベートーヴェン時代の配置で聴いてみると、曲の構造がわかりやすい。木管や金管がの音の抜けが良い。ホルンも当時のナチュラルホルンの音で、ナチュラルホルンの音は好きかも知れない。
モダン楽器の厚塗りの絵画みたくないので、楽器の音の繊細な濃淡が聴こえてくる。
でも、ピリオド楽器で運命を聴いてみると、当時の観衆はびっくりしたんだろうな。当時の最先端さが垣間見れた気がした。
飯森範親さんの指揮を聴いたのはいつ以来だろう。1990年代後半で東響定期のショスタコ8番以来ではないかな。
ふくよかな弦の印象があったけど、ピリオド楽器を指揮しても、程よいふくらみのある弦だけども、締まりのある音を紡いだ音楽になっていた。
モダン楽器が濃厚なソースなら、ピリオド楽器は繊細な和食みたいな感じを個人的には受けました。

休憩後は、モーツァルト:交響曲ニ短K.320
セレナード 第9番「ポストホルン」の第1、第2、第3楽章の合間にモーツァルトのオペラのアリアを中丸三千繪さんが歌う構成。なんでも、当時は、こういう演奏でが多かったとのこと。

山形交響楽団は、モーツァルトの交響曲集のCDを出しているだけあって、ベートーヴェンの運命も良い演奏でしたが、モーツァルトの方が自分的にはしっくり来ました。ピリオド楽器だとモーツァルトの曲の構造が聴き取りやすい。曲線美と構造美の組み合わせのバランスが凄いというのがわかる。

中丸三千繪さんは、ポストホルンの楽章の合間にアリアを3曲。

モーツァルトのあとは、ヴェルディのオペラアリアを3曲。

ヴェルディのオペラ「オテロ」から第4幕 アヴェ・マリアのアリアが良かった。舞台空間を一気に惹きつけていた。
また、ヴェルディの「シチリア島の夕べの祈り」の第5幕、ありがとう、愛する友よ、では途中から客席に下りて歌うサプライズ。

アンコールはヘンデルのアリア、私を泣かせてください。

モーツァルトとヴェルディの合間に中丸三千繪さんと飯森のさんのプチトークがあり、モーツァルトのアリアの難しさを言っていた。モーツァルトとヴェルディで、こんなに声の違いがあるんだということが聴いていて実感。

舞台空間を作り出して、曲の世界観を観客に魅せた。

オペラを久しぶりに聴きに行きたくなったかな。
シェルターなんようホールの濁らない音響の素晴らしさ。

山形交響楽団というオケがあって、秋田県民から見れば、山形県民が羨ましくてしょうがないよ。