ヴァレーズのアメリカは強烈な演奏 | この辺りの見所の者

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新宿ピットイン昼の部の纐纈雅代さんのライブを観てから、サントリーホールへ。

目当ては評判の高い指揮者のジョナサン・ノットと、エドガー・ヴァレーズのアメリカをナマで聴くこと。

▽ヴァレーズ:密度21・5(無伴奏フルートのため)甲藤さち
▽ヴァレーズ:アメリカ(1927年改訂版)

ノットの意向で密度21・5度とアメリカは連続で演奏される。ホールの照明を落として、スポットライトでフルートの甲藤さちさんに照らして始まる。間と呼吸の線がフルートの音色で示される。
そしてアメリカが始まる。アルトフルートの旋律は、先の密度21・5度との流れの繋がりを感じる。サイレンを始めとする音響の嵐の曲ですが、リズミックな部分も曲の中で演奏されていて、様々な作曲家のオマージュ部分も感じられる。ヴァレーズはチャーリーパーカーが好きな作曲家ということで名前だけは知っていました。
アメリカは、ハルサイを都市的モダンバージョンにしたような曲。尖りまくった旋律とリズム。サイレンの音が何回も鳴り響く。時代背景を考えると第一次世界大戦を無視することは出来ないだろう。都市と当時のアメリカの空気が曲をにパッケージされているような感じだ。
音響ブロックの組合せをノットと東響は集中力を切らさずに最後まで演奏した。

▽リヒャルト・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40

休憩後は、リヒャルト・シュトラウスの英雄の生涯。
アメリカとは対照的な、19世紀の作曲家としての演奏をノットは心がけていたのではないだろうか。19世紀と20世紀の音楽の対比を考えたプログラムではないか。
ふくよかで、英雄の生涯を巧みに表現した演奏でした。