↑のつづき。


さてさて、初代天神クニトコタチから始まる日本誕生伝説。

ホツマツタヱでは、いつ、誰が、どのようにして日本を統治したのか。


代々の天神(アマカミ)を並べて見てみましょう。

初代 クニトコタチ

2代目 クニサツチ(トホカミエヒタメの八皇子)

3代目 トヨクンヌ(トのクニサツチの皇子)

4代目 ウビチニ スビチニ(初めて夫婦で天神)


5代目 オオトノチ オオトマエ(夫婦)

6代目 オモタル カシコネ(夫婦)


そう。

全国を巡り、統治を始めたのは、天神六代目の
『オモタル』と『カシコネ』。

近江のアツミ(滋賀)を拠点に、
●東
ハラミ山(富士山の麓)
日高見(東北全域)
●西
月隅(九州南部)
葦原(近畿地方)
●南
阿波(四国東部)
ソサ(紀伊半島)
●北
シラヤマト(白山の麓)
ホソホコ(近畿地方の日本海側)
チタル(山陰地方)


まさに古代日本を統べる最初の統治王であった。

しかし、この頃から気候の寒冷化により、作物が取れなくなる。

それにより民衆は不安を募らせ、せっかくの統治もうまくいかなくなった。

さらに、オモタルとカシコネは嫡子に恵まれなかったのだ。

『オモタル(面足尊)』とは、「不足したところのない」「完成した」という意味の神名なのだそうな。

完成していたからこそ、凸凹がない、だから嫡子に恵まれなかったのかもしれませんね。

人間も神様も、「欠点があるからこそ得意なことで補いあいましょう」っていう教訓とも受け取れる。





さて、困ったときに登場するのが、
五代目タカミムスビの
『トヨケ大神(豊受)』である。


国家の危機に立ち上がったトヨケ大神主導の議会で、ひとつの決定が下された。


新たな天神の選出である。


全会一致で、ある一組の夫婦が世継ぎに選ばれた。


それが天神の七代目
『イザナギ』『イザナミ』だったのです。



ここでひとつ気になることを。

正史では、この七代目までを
「神世七世」と称されているが、
古事記ではその中に『クニサツチ』はいない。

代わりに、オオトノチ オオトマエの前の
四代目として『ツノグイ』『イクグイ』が入っている。

しかし、ホツマツタヱでは、
ツノグイとイクグイは
オオトノチとオオトマエの元の名である。

つまり、同一神。

意図的に『クニサツチ(八皇子)』が消されているのは、アマテラスとスサノオの誓約によって産まれた五男三女の『八王子』…という作り話を正当化するためなのかも知れない。
※ホツマツタヱではアマテラスは男性です


ちなみに、当時マツリゴトを助けていた『ツノグイ(オオトノチ)』は、政務を終えて表に出たとき、
「戸の前」で美しく優秀な女性に会う。

それが後の妻となる『イクグイ(オオトマエ)』。

「戸の前」で出逢ったから『オオトマエ』ってことですね。

五代目天神オオトノチとオオトマエの誕生。


それからというもの、

男神を『殿(トノ)』

女神を『前(マエ)』

と、呼ぶようになりましたとさ。


つづく。


ではまた❗



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