↑のつづき。
さて、牛の話をさんざんした後で、虎の話に移りたいところだが、まず、おさえておかなければならないのが、京都に鎮座する『貴船神社』と『鞍馬寺』である。
この二つは対の存在…というよりは二つで一つと言っても良いかもしれない。
『貴船神社』の起源は、大昔、丑の年丑の月丑の日に、天上から貴船山中中腹の鏡岩に貴船大神が天降ったことに始まる。
また、この神社には『牛鬼』の伝承もある。
対して、『鞍馬寺』の本尊『毘沙門天』もまた、寅の月寅の日寅の刻に鞍馬山に出現されたことから、虎は毘沙門天の使いとされ、鞍馬寺は狛犬ではなく、狛虎が安置されている。
鞍馬寺の本尊は
・毘沙門天王
・千手観世音菩薩
・護法魔王尊
護法魔王尊は『サナト・クマーラ』とも呼ばれ、650万年前に金星から地球に降り立ったとされる。
よくわからない神様だが、鞍馬とは「クマラ」が転化されたのだそうな。
ここでも、「金星」。
そして、「魔王」。
その特徴はまさに『ルシファー』。
また、鞍馬寺では若き日の『牛若丸』が、鞍馬天狗から兵法を学んだり、鬼一法眼という武芸の達人の『虎の巻』を盗んだり…と「牛」「虎」にまつわるエピソードが残されている。
鞍馬寺の本殿には「金剛床」という六芒星の床があり、虎の巻は「トーラースクロール」が語源とも言われ、「トーラー」すなわち『モーセ五書』と紐付け、日ユ同祖論者なら誰もが喜ぶシナリオを炙り出せそうである。
しかし、それは一旦置いておいて、『毘沙門天』である。
奈良県生駒郡平群町の信貴山に鎮座する『朝護孫子寺』。
信貴山真言宗の総本山であり、本尊は『毘沙門天王』。「寅年・寅日・寅の刻」に戦勝の祈願をしていた聖徳太子の前に毘沙門天王が現れ、必勝の秘宝を授けたという伝承から、寅を祀る寺院となった。
これは、本当に毘沙門天が寅に関係する日に現れたのかどうか…より、『虎』に何かしらのメッセージを残したかったのかもしれない。
寅が三つで『ミトラ』。
この言葉遊びを覚えておきたい。
『聖徳太子』には、一度に多くの人の声を聞き分け、理解出来たという伝説がある。
「多様な言語や方言を理解出来た」と解釈されたりしている。
私はこの伝説から『多聞天(たもんてん)』を連想してしまった。
北方を司る四天王の一人『多聞天』。
その前身はインド神話の財宝神『クベーラ』である。
『クベーラ』は、地下に埋蔵されている財宝の守護神なのだという。
少し話はそれるが、沖縄の神の島『久高島』の秘祭『イザイホー』で謡われる歌詞に「スベーラ御嶽」が出てくる。
スベーラが『クベーラ』から転化したのだとしたら、「イザイホー」とは「財宝」を意味しているとも解釈出来る。
クベーラは、サンスクリット語で『ヴァイシュラヴァナ』とも呼ばれる。
「よく聞く」という意味であり、まさに多聞天。
さらに、『ヴァイシュラヴァナ』の音が中国語に変換されて、『毘沙門天』となった。
つまり、多聞天・毘沙門天・クベーラはイコールなのである。
さらにさらに、『クベーラ』と名前が似ている『クンビーラ』。
『クンビーラ』は、ワニや蛇や水の神格を持ち、『クベーラ』とは別の神だとされているが、仮に本当は同一神であった場合、さらに紐付くことがある。
クンビーラ=『金比羅(こんぴら)さん』
香川県仲多度郡琴平町の象頭山中腹に鎮座する『金刀比羅宮(ことひらぐう)』は、全国に約600社ある、金比羅神社・金刀比羅神社・琴平神社の総本社であり、『金比羅(こんぴら)さん』に関連する神社には、必ずといっていいほど、祀られてる祭神は『大物主』である。
つまり、『ニギハヤヒ』のことだと。。
ちなみに、東京都調布市に鎮座する『虎狛神社』の主祭神は『大歳御祖神』つまり、スサノオの御子神でありニギハヤヒの幼名である。
インド神話の『クベーラ』はブラフマー神からプシュカパという『ヴィマーナ(空とぶ乗り物)』を貰った。
旧約聖書の『ノア』やギルガメシュ叙事詩の『ウトナピシュテム(ジウスドラ)』は『方舟』で大洪水を逃れた。
『ニギハヤヒ』は『天磐船』で地上に降り立った。
おそらく、これらは同じ昔話。
丑=スサノオ
寅=ニギハヤヒ(大物主)
金=カガセオ
三柱揃って『艮の金神』。
そして、三つの寅『ミトラ』。
ミトラ教が崇拝していたのは…
『太陽神ミトラス』。
つづく。
ではまた❗
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