豊穣の女神、穀物の女神と言えば『豊受大神(トヨウケ)』である。
伊勢神宮外宮や、元伊勢籠神社奥宮である真名井神社等の祭神として知られている。
 

 

 


↑↑↑でも書いたが、『ウケモチ』や稲荷神『ウカノミタマ』とも同一神であり、その正体は『瀬織津姫』。
そして、シュメールの女神『イナンナ』。

穀物や豊穣の神であれば、その象徴は「稲穂」または、「穀物の穂」となる。

そんな穀物の女神は、以外なところにも登場する。



黄道十二星座のひとつ、
乙女座『VIRGO』。
この女神は「麦の穂」を持つ姿で描かれている。

実は「乙女座」には正式なギリシャ神話はない。
候補とされる女神は三人。
○大地と豊穣の女神デーメテール
○デーメテールの娘ペルセポネー
○天秤座のアストライアー

「デーメテール」は豊穣や農業の神、または地母神とも言われ、そのシンボルは「麦」である。
『イナンナ(イシュタル)』もまた、地母神である。

その娘「ペルセポネー」は大地の女神、または冥界の女王とされる。
シンボルは、「ザクロ」。
「ザクロ」は種子が多いため、古代ギリシャでは豊穣のシンボルとされている。
ペルセポネーは冥界の女王であり、『イナンナ』も「ギルガメシュ叙事詩」の中に、冥界下りの物語が刻まれている。
また、『イナンナ』の夫である『ドゥムジ』も冥界に行っており、そのシンボルは「麦」なのだとか。

日本神話でも、冥界に下った『イザナミ』に、『イザナギ』が会いに行くシーンがあり、共通点を見出だすことが出来る。

ちなみに、この豊穣の女神「ペルセポネー」。
冥界のザクロを口にしてしまった為、年のうち8ヵ月は天界に、残り4ヵ月は冥界で過ごす羽目になった。
この4ヵ月間が、「穀物の育たない冬」となったのだ。


最後に、「アストライアー」。
アストライアーの逸話はとても興味深い。
大昔、神と人は争いのない地上の世界で平和に暮らしていたが、人は文明と欲を持ち始め、争うようになってしまった為、神は1人ずつ天界に帰っていってしまう。
しかし、最後まで人を信じ、地上に残ったのが「アストライアー」なのだそうな。
やがて、アストライアーも人間に失望し、天に昇り「乙女座」となった。
その時持っていた、正義を計るための「天秤」が「天秤座」になったのだとか。

神話上で、神々が起こした大洪水により、人間がいなくなってしまうことを嘆いた『イナンナ』と重なる。


「乙女座」は、古代メソポタミアの時代にはすでに存在していたようだ。

元々は二つの星座があり、それぞれ「麦穂」を持つ女性と「ナツメヤシの葉」を持つ女性が描かれていたが、後に統合されて、左手に麦穂、右手に葉を持つ1人の女性となった。

※この複数の神がなんらかの意図で習合されることが、日本のみならず世界中で起こっているから、注意が必要。

「ナツメヤシ」は『イナンナ』の象徴てある。
中東では、「ナツメヤシ」は古代より『生命は木(ツリーオブライフ)』のことだとされており、『カバラ』や『陰陽道』等はここから始まっている。





「ナツメヤシ」は、その学名を『フェニックス』という。
『フェニックス』とは不死鳥のことで、ギリシャ語の「フォイーニックス」が語源である。
その意味は、「フェニキア」「赤紫」「復活」「ナツメヤシ」等。


~ある伝承では~

『イナンナ』はある日、ユーフラテス川の畔で「プルッフの木(生命の木)」を見つけた。
『イナンナ』はそれが『世界樹』だと知り、その力を利用して世界を征服しようと企み、聖なる地「エデン」に持ち帰って育てたという。



そして…『イナンナ』とは、竜神『瀬織津姫』。
それは、『乙女座』が多いに関わっている。

つまり、「乙女」とは、海神の娘『乙姫』のことでしょうね❗


つづく。


ではまた❗