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うちはネタバレOK
それを見知ってから来る方がいます
というアナウンスがあったので、ネタバレにてお送りします。
劇団わは、小生は今年3月だったか、「ハッピースペル」という作品を観賞したのが初めてで、横道侑里さんや本条万里子さんが、前向きにポジティブを応援する側として、林千浪さんが我関せず派として、演技をして歌うミュージカル形式が記憶にあるところ、本作は、そのハピスペで主役、元は明るいポジティブ側ながら自分の内部のネガティブに目覚めポジティブを滅ぼそうという苦しみを公演の祐太さん、一昨年の劇団6番シードのオムニバス短編集の演劇祭で、図書館の事務員を静かに、ライバルと子猫の居付き先の主をコミカルに争うオーナーシェフを公演ね夢麻呂さん、そして鬼才蜂巣和紀さんなどが出演。なお当初は、これも蜂巣さんの作品では、老婆、幽霊など幅広い役柄を素晴らしい演技で笑い泣かせてくれる南名弥さん(みなみなみ)が体調不良で降板が残念だったね。
超超雑あらすじは、とある片田舎街の一見平凡な55歳吉田郷(夢さん)は、実は街の安全を保つべく、子供や高齢者の通行や、電車内での席の譲り方の指南などに日夜勤しんでいる。事情があり別れてしまった妻に代わり、男手ひとつで育てた息子(佑太さん)も父の後を追うように街の平和に身を捧げるという、正義の親子ヒーローで、新たにやって来た新人のヒーローの教育、将来のヒーロー候補である街の若者達や警察官(蜂巣さん)との触れ合っているが、ある日正義を憎む悪の組織が現れて、若者や新人ヒーロー、そして警察官までをも、正義の矛盾を指摘することで洗脳に成功。その侵略は息子にまで及び、母の居なくなった寂しさや自分が原因ではないか疑う気持ちが拍車をかけて、ついに郷と戦うことになる。
郷も一度は組織に負け諦めかけたその時、そこで終わってしまうわ、と妻の幻想?の発破により再度立ち上がると、若者や新人、警察官の内面の悪を寛解させ救うと息子と対峙し、叱るでもなく言い負かすでもなく、正義一辺倒で父としては不甲斐なかった自分を息子に謝って諸々を語ると、息子は我に帰る。そして組織のボスを逮捕するべく突然現れた妻のサポートで、ボスにも語りかけ、その心の苦悩を愛で解放すると、妻は喜びながら、自分は世界の悪の普及を企てる組織を壊滅させる世界正義維持の機構の一員だと話し、死んだわけでも息子が嫌になって出ていったわけでもなくミッションのためだったと明かす。組織を潰した今、機構からも解放された妻はこれからは私も街の正義のヒーローと言い、郷たち3人と街人らの、新たな正義の活動が始まった。
こんな感じの約2時間。正義と悪って一見大きく書いたが、悪は、ルールやマナーを守らないことや、世の中におよそ蔓延っている矛盾(食料廃棄と飽食・若者と老人の世代間格差)などのことを本作では位置づけていて、正義なんて嘘っぱちと破壊を企てた悪側が、決して悪に思えない、って感じがなんかむしろ救いに感じたがどうだろう。この辺は、先述の「ハッピースペル」にも共通していたテーマのひとつにも感じられて、完全な勧善懲悪、二項対立で物事は決まらない、だから双方歩み寄って折り合いつけろよ、というメッセージなんだなと小生は捉えて、これからの生活で留意しないとなと思った次第です。
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