モノノフLv.1のブログ

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ある役者の8月と9月の成功を祈り、半年前の良作の雑感を今さら記事化。

 

(以下途中まで2月下旬の執筆文)

ま、また、リアルで嫌なことになり、2026年こそは、素晴らしき表現者の皆さんのパフォーマンスを素早く書き散らかすぞ!という意気込みはあっけなく霧消してしまった・・・。ああ、本当に、リアルなんかに囚われずに、思いのまま観てきたことを書ける時間がほしいT_T。昭和小僧としては、ヨ◯ボーよりもパー◯ンのコピーロボットが欲しいところよ。

ということで、小生が、3Bjuniorというアイドルグループに所属していたメンバーを追ううちにたどり着いた、中小の演劇場を主たる表現活動の場として三十数年となるという、

 

劇団6番シード

 

通称・6Cの演劇。彼らの、この2月18日から25日までの間、ここ、

大塚・萬劇場で上演された、

 

ザ・ボイスアクター 〜オンライン&エボリューション〜

 

という作品のことをしっかりと書き散らかしておきたい。

 

ボイスアクターの字のごとし、声優の現場をモチーフとした、ワンシチュエーションの基本コメディなエモーショナル劇が今作で、初演は2008年、その時は、俳優が初めて吹き替え仕事にあたった顛末を面白可笑しく描いた「アニメーション編」だそうで、主宰の作・演出の松本陽一氏によれば、当時所属の俳優小沢和之さんの体験がモチーフになっているとのことで、私も小沢さん在籍時代の作品を生で何作か観ているので、いやあさぞかし楽しいドタバタな劇だったんだろうな、は想像に難くないがw、この「オンライン編」が、2011年にアニメ編のスピンオフ的に進化した片方の作品だそうで、こちらは以後2015年、2020年と再演を経たものだそうで、主演の大御所声優・御子柴瑠璃を演じるのは、松本氏の唯一無二の公私に渡るバディたる宇田川美樹さん。そこに、新たな作品として登場したのが「エボリューション編」で、当初は劇団員の高宗歩未さんが主演予定だったが、おめでたく懐妊されたとのことで、劇団外から宮島小百合さんを招いたもので、それぞれ期間中6公演ずつの全12公演を、小生はオンライン編は5公演、エボリューション編は3公演をそれぞれ観賞。注目の、その内容たるやいかなものであったか!?まずは24日のソワレ公演が千秋楽となった、エボリューション編から。

 

(あらすじ)

人気アニメ「流浪の民ナガレイン」。約15年前にはオンラインゲーム化されるなど様々な形で愛され続けている本作が、令和の時代には、各キャラクターが美少女化されたものが深夜アニメとアプリゲームとして進化し、その声を、今人気絶頂の4人のアイドル声優、通称四天王と呼ばれる、燕更子杏樹(遠藤しずか)、駿河城詩葉(舞川みやこ)、順天堂萌果(小菅怜衣)、戸愚呂山智秋(渡邉ひかる)が務め、しかもその記念としてアフレコシーンを生配信することが発表されていた。

その生配信当日のスタジオに、ナガレインのテーマ曲をアカペラで歌う一人の女性がいた。青のつなぎで乱暴な口調の彼女は、スマホを自撮棒にセットすると「夜勤の皆さんお疲れさん!日勤の皆さんご苦労さん!いつも視てくれてありがとさん!」とスマホに語り始めて自らを桐生咲竜子(宮島小百合)と呼び、今日の配信はサプライズだから必ず視ろ!と呼びかける。竜子は最近、アマチュア無線からアニメソングを歌うトラックドライバーユーチューバーとしてバズっているのだが、スタジオにやって来た、初期ナガレインから司令室役を務めている大等一里(椎名亜音)や横倉幸子(松木わかは)、竜子が昇った調整室のミキサー・山野(齋藤伸明)や助手の好大(武龍汰)らは、いずれも掃除の人?と訝しがる。そこに四天王や、男性声優の右代走健(永石匠)、ベテランの宮園祐二(オオダイラ隆生)、さらには生配信用サムネイルが上手く撮れたと自賛のマーケティングプロデューサー・雀宮(丸山正吾)もやってきて生配信がどう進むのかが話題となった時、調整室にエグゼクティブプロデューサーの柳井(藤堂瞬)と音響監督の田楽(樋口靖洋)が姿を表し、主役のナガレ役が人気アイドルグループのセンターであること、生配信は一発撮り、途中に告知用の生CM撮りを行うこと、そして、特別出演で、今話題のユーチューバーとして竜子が加わること、などの説明がされると、芝居が出来るかも不明なアイドルや、知らないユーチューバーを交えることに、杏樹らは不安と不満を覚える。だだでさえ四天王間も、仲はバチバチで、スタジオでの立ち位置にも気を遣うところに、その時調整室にラインプロデューサーの新木(松本稽古)が、アイドルグループがコンプライアンス違反で活動休止との情報を柳井に報告する。スタジオにはプロデューサー達の深刻な会話が断片的に聞こえ、萌果がスマホを開くと、瞬く間にアイドルグループ活動休止のニュースが拡散されており、不安は一層高まる。その時調整室に、なんと背中に「世界征服」の刺繍をあしらった特攻服に着替えた竜子が姿を表すと、柳井らは急場凌ぎとして一部配役変更で、単なる生配信をやり過ごそうと皆を宥めるが、その姿勢に杏樹が反発。単なる生配信にしたくはないと主張すると、竜子が、お姉さんかっけえ!とスタジオにマイク越しに、初期ナガレインのDVD-BOXを持つほどのファンだといい、その時のセリフを真似ると、それが思いの外はまっていて、田楽らは竜子をスタジオに連れてゆく。

ナガレ役のアイドルの代役を雀宮と新木が検討する中、生配信のカメラの準備、告知用の四天王と健のCMのテストを終えてから、田楽がリハーサルの段取りを説明しナガレ役は杏樹に変更と言うと、「井戸掘り士タイダダ」役を読み込み臨んでいた杏樹は反発。その時柳井は、生配信の意義は、エボリューションした新たなナガレインを視聴者に魅せたいことにあるとして、ナガレ役を竜子でゆくと決定。台本の一部を竜子が発声すると、反発していた詩葉、萌果、智秋を他所に、杏樹がダイダダとして受け止めセリフを応酬し、竜子に、自らを杏樹と呼んでと告げ、竜子のサポートを自分がするから、しっかりと声優をするように忠告。売られた喧嘩を買ったる!とばかりに、竜子はリハーサルが開始されると、ト書き部分を読んでしまったり、感情表現を上手く出来なかったりと、間違えを繰り返しつつも、杏樹のサポートの甲斐もあり徐々に声優達のアフレコに溶けこみ序盤部分を終える。詩葉がマイク位置の指示で自身を呼び捨てにした好大を詰ったりと、皆が素に戻り一息ついていた時、調整室のパソコンを山野が覗き込むと、その表情が青ざめる。雀宮らが何事かと見やると、なんとテストで起動していたカメラがライブ配信中と表示されていて、ほぼ全てが流れていたのだ。土下座する山野だが、柳井がコメントを見るよう皆を促すと、杏樹の思いや竜子の演技、健の噛み具合、詩葉の普段見せない姿などに高評価が集まり、生配信本番を期待する声が多く寄せられていた。今日は竜子をナガレ役でこのまま進めるべく新木は竜子に問題が無いか確認に向かう。

休憩中にマネージャーから、ユーチューバー竜子の評判を聞いた杏樹が竜子に、良いアフレコにしようと語ると、思ってもないくせにと反発しながらも悪い気はしない竜子は、田楽の、リハを踏まえての智秋へのダメ出しに、智秋は自信が持てないだけだから自分の思うままに演じさせれば大丈夫だからと進言。声優達は素人が生意気にという表情だが、山野や好大は竜子の説得力を認める。雀宮や新木は渋るが柳井がOKを出して智秋は自分の思いどおりのアフレコが出来て竜子とも打ち解ける。さらに竜子は、本来のゲスト役であったキャラのアフレコも見事にこなして、素人に負けるか!といわんばかりに詩葉や萌果のマイク立ちもエキサイティングになる。こうして、途中男性器のセリフをコンプライアンスの観点から差し替える等の措置もある中順調に中盤のリハーサルも進んだ時、新木に一本の電話が入る。その内容は、竜子のアマチュア無線使用による収益化が電波法違反の疑いがあること、昔の配信時に、運転中にコメントを書きこもうとしたリスナーのドライバーが横転事故を起こし、竜子が原因として炎上したこと、そして炎上した者との共演を杏樹の事務所が認めず降板も辞さない、というものであった。

生配信まで後30分たが、竜子、杏樹とプロデューサーがスタジオに戻らないため終盤のリハが始まらず不安な声優陣。知らぬ顔の山野だが、好大が新木の電話の件を漏らしてしまい周知となった時、先に竜子が戻り、まず電波法違反の疑いは晴れたが、事故による炎上については事実と認めるが、それが悪いというなら自分一人であるとも主張。その後杏樹も戻るが、事務所からは炎上者との共演NGは覆らないことを伝える。柳井はナガレ役を智秋に、そして竜子には本来のゲストキャラを全うするよう指示して、最後のリハを開始するが、竜子はやりきれない表情のまま微動だにしない。智秋はナガレ役に戸惑い、そして、ここまで竜子とコンビを組んでアフレコを行い、感情込めたアフレコに臨んできた杏樹は、リハが進むにつれて悲しみの表情が明らかに増え、ついに自身でリハを止め生配信中止を提案する。皆もそうするべきと座が白みかけた時、竜子は杏樹の頬を打ち、あの気持ちは嘘だったのかと怒り、お前らの最高の生配信を見せろ、その為に自分が消えるからとスタジオを去ろうとする。杏樹は、もう一度社長を説得すると引き留める。その時柳井が、一か八かと、山野に、この配信用のカメラのボタンを、間違っても押すんじゃないぞ、絶対にだ!と、あたかも押せといわんばかりに命じて上から睨みつける。怯えながらも山野がボタンを押すと、柳井も竜子を引き留め、最高の生配信にするために、もう一度ナガレ役で、物語終盤の、ナガレ達が出会った頃の回想シーンから現在の絆を取り戻すまでの部分のリハを指示する。戸惑う声優たちだが終盤のリハが開始して、再び活き活きとした杏樹ら四天王。竜子ももう一度気持ちを込めたアフレコを行い、物語と同様に再びチームのアフレコに、明らかに力を感じられるようになったところで柳井が一旦リハを止めて山野に目配せすると、その意味を悟った山野は、怖れながらも、あたかも間違えて生配信ボタンを押してしまい、今のリハ風景がすべて垂れ流しとなったことを謝罪する。コメント通知を知らせるスマホを萌果が見ると、杏樹と竜子の抱擁、杏樹の熱い思いの語らい、声優陣の渾身のアフレコ等にコメントが殺到して、とくに杏樹はその名が連呼されて、今度は彼女自身が炎上の当事者になったのである。

これが柳井の狙いであり、竜子と杏樹の共演NGにもはや説得力はなくなった今、スタジオは一体となって、最後の生配信告知動画でボルテージを上げ、いよいよ田楽のクライマックス開始の合図に、声優陣達の顔は引き締まり、山野の雑音指摘、好太の位置指示にも力が込められる。いつしか智秋は自信に満ちて大佐を演じ、詩葉はますます冷酷さを増し、萌果はぽちょみんそのものかのような表情が込められ、そしてダイダタとしてではなく、自身こそ「泣き虫なんかじゃない!」と言い聞かせるような杏樹をしっかりと受け止める竜子のナガレ。幸せオーラが大佐をも改心させて、晴れてこの困難を乗り切ったところで、おいらは流浪の民ナガレイン、また会おう!アディオス!と、最後本来の動画の締め言葉を用いてしまった竜子だが、一日限りの主役を終えた竜子の表情は実に晴れやか。そこに柳井が、この最後はNG、撮り直しますという。撮り直すって今日だけでは?と杏樹らは思うと、このまま主役ナガレは竜子で行くことが決められたのであった。

 

(雑感)

このエボリューション編は、アニメーション・オンラインにつづく新作で、松本さんのアスタートークでの言を思い起こすと、基本ボイアクはオンライン編で一応の完結だったそうで、今回オンライン編の再演にあたり、今や本業のタレントを凌ぐ人気者も排出しているユーチューバーが、こういう形で声優の現場に参加したら面白くなるのでは?という発想で書いたとのことだが、新たなアイデアがあれば、との条件がクリアすれば新作はあるかも?とのことで、どうやらしばらくはボイアクはここで一定の完結らしい、ということみたい(間違っていたらすみません)。

半年近くも放置していて途中から記憶が怪しくなってしまい、しかもDVDは8月中旬に延びたため、終盤は無難にまとめちゃったあらすじだけど概ねこんな感じ。でも、今思い出しても、松本さんってどの作品でもそうなんだけど、素人の小生なんかは、これがその業界の普通なんだな、って思わせられる脚本をお書きになるのよねw。これは小生が良く知る世界を描かれていないだけで、知る人からすれば誇張して盛られたり実際とは異なるって部分もあるんだろうけど、いずれにしろその世界への敬意みたいなものは感じられるのね。そこに実際には起こらないだろうハプニング要素をいくつも散りばめて、演劇としての面白さを加算してゆくのが素晴らしいよね。

さらに、作品そのものに加算された面白さを、松本さんや宇田川さんが、この作品には彼、という選りすぐりの俳優達がブーストを掛けてゆくのだからたまらない。全演者さんが素晴らしいのはもとより、もう記憶消去との闘いなので敢えてお一人特筆、とすれば、

遠藤しずかさん。小生の彼女の当時の現在地は、ENGの「Rock the 本能寺」と、高井千帆・ちぃちゃんがお世話になった壱岱さんの「素晴ラシキ世界ノ片隅で」。後者で歌を封じられた哀しい眼が切なかったが、今回の、竜子が降りた後の収録で、徐々に「こんな形で終わっていいの?」と自問するような表情が、徐々に自身への失望に変わり眼から光を失ってゆく表現は、各回とも2列目以内で観ていたこともあるけど、毎回そのシーンはエモーショナルだったね。終演後のサイン付き面会は時間切れでお話機会を逸してしまったけれど、半年遅れで称賛さっせていただきます。まもなく届くだろうDVDもなんとか視る時間を確保したいね。

 

さて、では、もう一方のオンライン編はいかなるものか。時系列としては、エボリューション編の世界から十数年前、「流浪の民ナガレイン」が初のオンラインゲームとして上梓された際の収録現場を舞台としたもので、監督の田楽、音響の山野、声優の一里と幸子は、こちらでも同じ役者さんにより登場。それに加えて我らが、

 

平瀬美里

みぃちゃんが冷笑系女性声優の瑞稀亜美役で出演、さらに、こちらは「ごにょごにょ」していることも改めてしっかりとしたあらすじはお届けできるので、乞うご期待!?

 

(あらすじ)

ある日の午後のレコーディングスタジオに、一人の女性が落ち着きなく入ってくる。軽く発声練習してから発したのは「おいら、ぽちょみんって言うんだ」というセリフ。彼女はベテラン声優の御子柴瑠璃(宇田川美樹)で、この「流浪の民ナガレイン」のマスコットキャラクターでもあるぽちょみんの声を長く当て続けているのだが、今回ナガレイン初のオンラインゲーム化に伴うレコーディングに、密かに緊張しているのだ。付き人の友田茜(横道侑里)の手前、ゲームの仕事は若手の仕事と強がり、サブ調整室から挨拶する田楽(樋口靖洋)にも、ちゃっちゃっと終わらすよ!と貫録で強がる。そこに指令室役の声優の一里(椎名亜音)と幸子(松木わかは)が収録でやって来たと御子柴に挨拶。さらにモンスターを17役も任されて気合が入っている埼玉次郎(鈴木智晴)と若手声優の亜美(平瀬美里)、果ては大御所・ウツボ健一(榊原仁)と、その研究生で見学に就いてきたという学生の目貫綾子(長月明日香)までもスタジオに入る。収録時間が被るほどのワード数(セリフ数)でもなく田楽のブッキングミスを責める御子柴が帰ろうとすると、ある芸能事務所のマネージャーと称する頓田林(オオダイラ隆生)が「ぽちょみん大冒険オンラインゲーム」のプロモーション大使であるという鮎川つむじ(夏野香波)が、収録現場レポとアフレコ特別出演を兼ねてやってくる。御子柴らは訳がわからず、とりあえず収録ワード数の少ない者から始めようと進めようとしたとき、サブから「おはようございます」の声。今回のオンラインゲーム発注元のテクニカルディレクター祐天寺真一(佐藤弘樹)が、クリエイターの日野(NPO法人)とともに、皆を同じ時間に呼び寄せたのだという。おまけに声優達に渡されていた台本は使用せず、それぞれその何倍ものワード数が加算されている「テキスト」で収録を行うのだという。ぽちょみんが420から実に5860までに膨れ上がったワード数と聞き茫然とする御子柴の前にもう一人、モーションアクターという橋爪(倭香)が現れ収録参加するといい、こんな現場見た事がないと、電話を掛けてきた5歳の息子に今日は帰りが遅くなる!と御子柴の顔が引き攣る。

膨大なワード数の今日中の収録は不可能と憤る山野(齋藤伸明)を田楽が宥めながら、収録は一里や幸子、ウツボや亜美が予告編から開始。しかし御子柴のアフレコの時には、祐天寺のチェックが入りその都度日野の「ノット(NOT)」のダメ出し。半年もぽちょみんを演じている御子柴に、キャラクターイメージが理解されていないとニベない発注元。どうやらこの主役はぽちょみんではなく、あくまでゲームのユーザーであることの理解が無いことを指摘しているのだ。試行の末ようやく基準のデシベルをクリアしたところで、本編の収録と同時につむじの突撃レポートも開始。この本編なのだが、ユーザーのコマンド選択によりゲームの進行が何パターンにも及ぶという性質上、何度も収録場所が行き来するので、明らかに時間がかかるのだ。今日中に収録が終わらないと御子柴達が訴えるが、ゲーム業界の終了時間が翌朝6時、すなわち30時が「てっぺん」が当たり前と驚きの祐天寺と日野。それでも間に合わないことも想定して、同じセリフは飛ばす・究極的には五十音一文字の収録だけでセリフ化することも検討するという。とにかく今日中の終了を御子柴達は目指し、幾度のチェックとノット、クリアを繰り返してゆく。途中、つむじの極度の緊張からのあわや事故まがいの収録、橋爪の動きに惑わされてしまう御子柴と困難を克服しながら序盤の収録を終える。

とにかく5860語をクリアして早く息子の誕生日を祝いたい休憩中の御子柴は、テキストを読み進めてある程度のストーリーを把握する。その間ウツボの個別収録に先生凄いと綾子が歓喜すれば、うざっと目障りな亜美。そして本社の好評と新たな指示で、つむじの没、代わって綾子の採用など、修正点が告知された時、御子柴は祐天寺に、分岐する部分を一々戻って収録するのではなく一気に収録することを提案。その提案には台本のめくり役と発声者をペア組して行うなど工夫を要するが、祐天寺は声優達の挑戦を受けいれる。結果、この収録方法の方がストーリーそのものの進行が分かるようで、外野の頓田林やつむじには好評の様子。さらに声優陣のチームワークも見事で、山野からノイズの注意はあるものの、ペアによる収録も順調。御子柴もようやく橋爪の動きと呼応する発声を見せてちょうど半分まで撮り終えた時、サブ室の祐天寺は涙を見せ感動したいた。日野によれば本社の評価も高いがゆえに、何とぽちょみんが、属性を他に4つ持ってプレイできる方針になったといのだ。

各属性ごとのキャラクターチェックを終えたが、ぽちょみんの最終ワード数が何語になるかの指示待ちで収録は中断。その為ぽちょみんは後回して、他の収録を進めるという祐天寺だが、御子柴は私たちのてっぺんを越さないという意思の元、完璧に5属性をクリアするという。ひとまず祐天寺も収録再開を許可して、再びストーリーどおりに進行。ほどなくすると御子柴が軽く咳払いで後ろを見る。その動きに茜は不安を感じて、さらに咳払いの回数が増え始めると、茜の口から「ノット」の声が。曰く自分の入る箇所が分からず思わず止めてしまったというのだが、御子柴は弟子の不始末にいら立ち手洗いへ向かう。その間日野の元へ届いた、本社からのぽちょみん属性増加に伴うワード数は、18万4268・・・。

通常でも1年以上収録時間がかかるというこのワード数に対し、御子柴のスケジュールは埋め尽くされていて時間確保は絶望的。祐天寺と日野は「あのプログラム」の発動を決める。御子柴以外のパート収録を行いながらも、御子柴のマイクはなぜか開けている声優陣に自分の仕事をするよう促す祐天寺。茜と、なぜかウツボは同調するが不安が拭えない彼らが、ようやく戻ってきた御子柴に、例のワード数を言う間もなく、当の御子柴は、とっとと終わらすよ!と収録再開。しかし明らかに咳込む頻度は増えるのだが、止めずに進める祐天寺と日野だが、そのチェックに「ノット」は全くかからない。田楽や山野ですら首をかしげるその時、ウツボの「ノット!」の強い声。彼もまた御子柴の喉の異常を察しており、弟子の救いも受けず偏屈なプライドで乗り切ろうとしたことを明かす。茜がそれを言い出せずにいたことを謝るが、御子柴は冷たく破門を言い渡す。そこで18万以上のワード数を知らされる御子柴も不可能であることに気づくが、日野は収録できるところまでは行うと言う。その時山野が、日野をパソコンを奪い取り今撮った個所を再生すると、御子柴の声は全く収録されていない。これが、「あのプログラム」-マルチアーテフィシャルリプライインテリジェンスアンドロイドシステム、通称マリアシステムという、あの、50音だけの収録で全セリフを機械的に造りあげるシステムを採用したというのだ。それでは声優の存在意義は?否、18万語を今日一日で出来るのか?それを思うと、御子柴の喉を労わるが故に、マリアシステムに賛成する茜。その茜の頬を打つ御子柴は、もはやアフレコではない、自分の役目は無いいいスタジオを出てゆく。亜美が腕時計に目をやると、時は23時58分、哀しい形で声優業界のてっぺん越えが守られてしまった。

破門を言い渡され御子柴を傷つけてしまった自責の念と、声優としての道を閉ざされたという無念さから、誰も居ないスタジオでぽちょみんを演じる茜を、昔からあの人は厳しくて、と優しく励ます山野。そこに御子柴が入ってきて、茜は努めて明るく振る舞う。帰宅準備を終えた声優陣も集まり、田楽が明後日収録再開と告げるが、御子柴の50音のみ収録は1時間程度で終わるらしい。御子柴は日野に、マリアシステムでどのようにセリフが発されるのかを知りたいという。試行段階ながらも日野が今日の御子柴の50音でつないだセリフは、埼玉、一里や幸子らはなんともやり切れない表情になり、居合わせた素人のつむじなどは変なの、とバカにする始末。その時御子柴は静かに、いいじゃないの?これから先声優は要らなくなるのかな、と達観とも諦めともみえる表情で、もう一度祐天寺に、本当にこのクオリティのものでゲーム化するのかを問いただすと、祐天寺は頷き、プロの声優として受け入れられなければ、自主降板を尊重するという。その時息子から、いつ帰るのか電話が入るが、あと少しで終わるとの返答に一同驚くと、御子柴はマリアシステムの50音収録に応じ、早速「あ」の段から開始される。続いて濁音、撥音へと進むにつれ、平静を装っていた御子柴の顔が徐々に苦し気になり、祐天寺の次音の促進にも応じれず、ついにマイクの前にしゃがり込んでしまう。自分にはどうしても、これによりセリフが紡がれることが哀しいのだ。それだけでなく、中盤の収録に涙をして感じ入っていた祐天寺の姿に、ぽちょみんと自分が真に一体となれた感じがして、どうにかもう一度、声優達の声で収録を出来ないかと問いかける。その時、茜が「おいら、ぽちょみんって言うんだ!」とマイク前で演じる。皆、その気持ちがわかるだけに田楽がチェックと言えば、山野がノット!ノイズに気をつけろ!と叱咤。一里と幸子が物語を進める。茜に独占はさせまいと、亜美も、そこは私の方が上と加わり、埼玉が、もう一度自分達声優の声で演ろう!と、ぽちょ~にはノット。そしてついに御子柴からの「ノット」。茜の技量不足を指導してハーモニーを奏でると、祐天寺から「チェック」の声。日野が対応すると、なんと御子柴と茜のデシベル値が一致。そう、ぽちょみんの水属性は、茜でも御子柴の代わりに対応できるのだ。同じく風属性は亜美と、一向に帰らない皆にしびれを切らして呼びに来たウツボとは土属性が、最後の火の属性は、荒々しい男性の声が必要で、つむじでは不可能。そこに茜がサブ室を指さして、あなたです!と山野を呼ぶと、なんと御子柴とデシベルが一致。属性別の代役の目途は立ったが、いかんともワード数は物理的に何ともし難いと思われたが、ずっと眺めていた頓田林が、重複ワードは結構多く、それをそぎ落としていくと数は絞られると指摘。では、そのワードをどう絞りこむのか?その時綾子が、テキストがエクセルで作られていることを見て、絞り込み検索機能で確認できると実際に操作をすると、なんとワード数は実に残り963までに絞られた。御子柴は、これならできる、ム業界のてっぺんは越えない!と、直ちに原稿が印刷されて収録が開始された。

御子柴の喉の調子も維持がされて、属性ごとのシンクロも高度に保たれて、ストーリーは順調に進んでゆく。サブで見守る頓田林もつむじもゲームをプレイしているかのように楽しげだ。物語も埼玉演じる数々のモンスターを倒してゆき、さまざまな困難をいろんなアイテムでクリアしてゆく。いよいよ収録もストーリーもクライマックスへ。ここで未だ決まっていなかったラスボスの悪の女王に、祐天寺自らが綾子をあなたが女王だと指示。眼鏡を外した綾子は、女王が乗り移ったように覚醒する。ついに女王を追い詰めて、ぽちょみんの魂の叫びでは、橋爪のモーションアクトとも完全にシンクロして、後は女王を倒すべくナガレの記憶も取り戻し、オンラインゲームらしく課金アイテムの呼びかけて弱る女王。そして間髪入れずにアイテムによってついに魔王を倒し、来年秋の続編の告知がされて、また会おう!ぽちょちょ~、と収録は無事に終わる。サブでは、顔をくしゃくしゃにして感涙の祐天寺が、健気にチェックの指示。日野は静かにクリアを告げた。

スタジオに降りてきた祐天寺は、ゲーム業界のてっぺんを越えなかったのは初めてで、声優の力への完敗を認める。本社からはいくつか修正点がもたらされ、綾子の女王は完璧とのこと。そして属性ごとのぽちょみんのシンクロ率も問題なく、中でも御子柴と茜の水属性は、その率97.7%とハイクウォリティであり、茜に浮かれるなと注意の御子柴。ついでに、群衆シーンなどのガヤ撮りもしてしまおうと、全く役立たずだったつむじも加わり、最後の収録が始まり、祐天寺のチェックに日野が、オールクリアと告げた。

 

(雑感)

あらすじ作成にあたり、ごにょごにょと2020年のDVD版も視て書いていったけど、いやあやはりライブ観賞から半年経っても、あの役者陣の奮闘が思い出されるよね。実際にセリフのめくりとアフレコのシーンは、紙もちゃんと毎公演ごとセットし直されていて、一つでも順番が狂うとかなりまずいというんだからね。ある公演の時、その台本を業者が運び込みシーンで(この時に、オンライン編には出ていない藤堂瞬さんが運んでくるんだねw)、スタッフさんが積み方違えたんだっけ?さりげなく残って直したりした回もあったとか。そんな貴重な台本なのに、配信収録回で、松木わかはさんがついペットボトルの水をこぼしてしまい、演技中も冷や冷やだったんだとかw。まさにライブだよね。6C公演ではアフターイベントも充実していて、ある回では、両編のキャストがトークをするという豪華な時があったんだけど、エボリューション編の皆さんからは、この台本めくりの部分が称賛されていたよね。もちろんエボリューションの方は、アフレコシーンそのものが演じる部分でもあるから、気を抜けなかったのは同じだろうけど。

こちらでも、特筆はお一人って縛りで言えば、やはり、

横道侑里さんだなあ。茜が御子柴の不調を気づいてからの戸惑いから、自分が悪者になっても御子柴を助ける、という決意のノット!の一連の表情。破門を言い渡されて頬を打たれ、諦められずの「ぽちょ~」には、毎回感情が揺さぶらてしまったね。でも、ご本人は、割と天然な点もあるようで、配信回では、御子柴に、はちみつレモンドリンクを持って行く時、元々暗い舞台裏とか苦手なのに加えて、どうしたわけかドリンクも見失ってしまい、御子柴の宇田川さんが、あれ?いつ出るんだろう?と思いながら平然と芝居で繋いだんだとかw。その二人の頬打ちシーンも、時にクリーンヒットし過ぎてしまうところもあり難しいね、とのことだったけど、ここも外せないシーンだよね。同じく全キャストトークショーで、エボリューション編では、竜子の杏樹への頬打ち後、ラインプロデューサーとしてすぐスタジオに入る松本稽古さんが、横道ちゃんが打たれて、客席で腰が浮いた、ってのが笑わせてもらいました。横道さんとは、この後、あの新木美優さんプロデュース作品「レターズ」でも泣かされ笑わせてもらったんだけど、だからちゃんと書かないといかんよね。

先述のとおり、新作はともかくも、エボリューション編もまた、単独で再演してくれてもありがたいし、いやいや、オンライン編だって、特に今やAIがなんでも解決してしまおうかという時代だけに、本当にマリアシステム化されてしまった後の声優界、なんて形の続編もまた、鬼才松本陽一と宇田川美樹の腕と、魅せてもらいたいよね。

 

と、ここからは、まさに今作で、6番シードの本公演初の出演を飾ったみぃちゃんについてのエールを。

エボリューション編の主役竜子の、宮島小百合さんが2015年版だったかの亜美役で、別班とはいえ過去に同じ役を演じた人に観られるってのは、「デッドリー」以来だったかな?挨拶もできたようで、こうしたことで縁が広がるのが何より嬉しいね。先のトークショーでは、オンライン編は周りがおじさまばかりで・・・、なんて榊原さんや鈴木さんに、おじさんもいいとこあるのよ~、なんて受けてもらえてたけど、鈴木さんなんて劇団の長だしね、何があるか分からんし。実際そうした縁というものにこれまで恵まれているのがみぃちゃんなので、そこには稽古中の姿勢とか学ぼうという姿もあるからだと贔屓としては思ってる。この作品が繋がったかは知らないけれど、9月には、

 

舞台 ★オカモチッ!★

(チケット絶賛発売中→☆オカモチッ!☆の開催スケジュール|LivePocket(ライブポケット)

 

で、宇田川さんプロデュースの「BE WOOD LIVE」の主役!でお呼びいただけるという機会も待っている。

昨日の「Mii-style tunes」でも、各方面に気を配りつつ完璧なものを求めて提供しようとする姿が見られたので、おぢさんは何ら心配はしていないけど、この業界だって、色んな人がいると思う。生粋の演劇人(ってしかし実際にはどれくらいいるんだろうか?)ではなく、客観的には「アイドルくずれ」。みぃちゃんを良く知らない分人には、その真摯な姿勢はなかなか見てもらえないかもしれない。今月末の、同じくダブルキャストながらも主演をいただけた、

 

舞台 三国ワルキューレ ~決戦のヴァルハラ~

(チケット絶賛発売中→三国ワルキューレ~決戦のヴァルハラ~のチケット情報 | TicketMe

 

とともに、主役の平瀬美里、どうなんだろう?てところもあるよね。とくに後者は六行会ホールだものね。そんな時こそ、まずは、いつもどおりの姿勢で臨んでもらえればと思う。演劇こそが一つの群像劇、皆で作り上げるものだろうからね。ようやく稽古が本格化したところで大変だろうけど、体調に気を付けることはもとより、まずは8月20日のその日を楽しみに待っています。