駆け出しの映画監督、折村花子(松岡茉優)
幼い頃家族を捨てて失踪した自分の母親を題材に映画を作りたいと励んでいたが
パワハラにあった挙句、アイデアも横取りされ映画化は叶わなくなる
こうなったら自分で映画を撮ってやる!
と、風変わりな男・館正夫(窪田正孝)とともに実家に戻り
実父・実兄たちを引っ張り出して、封印していた家族の物語を撮る!!

石井裕也監督の「川の底からこんにちは」は大好きな映画ですけど
この映画はちょっと…わからなかった…![]()
花子は日常に常にカメラを向けていて
「日常には理由の無いことなんていくらでも起きる」と、それを映画にも盛り込もうとします
が、それはパワハラな助監督に
「理由のない映画なんてあり得ない」と切り捨てられるんですが
パワハラは良くないが、
これについては私も同感。
たしかに現実には理由なく理不尽なことはいくらでも起こるし
それがあとでなにかの伏線になるとかでもなく、
起こった。ただそれだけ。ってだけのこともたくさんある。
だけどさ…それが映画じゃ納得できないわけじゃん![]()
この映画も、前半はひたすら松岡茉優がパワハラに耐えたり
良くわからない映像を断片的に撮りためたり
プロデューサーにはなにされてもペコペコしてたのに家族にはキレ散らかしたりしていて
なんだか意味がよくわからず、人物の心理もいまひとつわからず
観ていてしんどいだけだったんだが
母親が失踪した真相
父親が傷害事件で捕まった理由
それらが明かされるあたりでやっと面白くなる
やっぱ映画には理由と筋が大事じゃん
と思ってしまう私は無粋かしらね![]()
映画製作業界の闇?
やら、
予定調和への憎しみ
やら
融通の利かない携帯会社の店員へのいら立ち
やら
闇バイトとかで儲けてる奴らへのいら立ち
やら
あと、コロナ禍という設定なんですが、コロナ禍の閉塞感へのいら立ち
そんなものがかなり雑に詰め込まれている印象
いろいろなモノへの苛立ちは伝わったが、もう少しそこは整理してもよかったような
大物のステキな俳優・女優さんが出ているのに
みんな妙に魅力的じゃなく映っていて、
それも予定調和を憎むメッセージなのかなぁ![]()
窪田正孝の役なんて、ちょっとキモいほどであった
すみません
しかし予定調和を憎むわりに
ラストのほうは妙にステレオタイプの感動的シーン、感動的セリフが詰め込まれていて
え、今度はこういうのに感動しちゃう単純な人間を逆に皮肉るスタイル?
とか、穿った見方をしてしまった(笑)
うーん
私にはちょっと合わなかったかなぁ
良いと思えたの、エンディングのエレカシの曲だけかも…


