「ファースト・プライオリティー」
山本文緒

コレの続きです下差し

「旅」

毎週末、旅に出る女性が主人公。
行き先は、金券ショップでチケットが安く買える場所ならどこでも。

まるで習慣のように、毎週末ひとり旅に出る。
お土産は、旅先から自分に宛てたハガキ一枚だけ。



私も独身の頃はひとり旅が好きでした


主人公のように、こんなに頻繁には行けないけど…



だから、この物語はとても魅力的でしたおねがい



ミニマルで自由な旅は、ひとり旅ならでは。

やりたくないことはひとつもやらない。

だけど、やりたいことは気ままに時間を割ける。



たとえば、たとえ有名な観光地でも私の興味がなかったらパス。

そのかわりに、なんだか雰囲気の良い公園に何時間も滞在したり。




いいなぁ〜!

また行きたいな!ひとり旅!

と、思って読み進めていましたが、



物語のおわり、主人公の彼女は

宿の女将が自分とおなじ31歳だということを知り愕然とする。


自宅に戻り、自分が自分に宛てた旅の絵葉書を見て立ち尽くす。




これは…?



気ままな一人小旅行を続ける自分と、

旅館の女将として日々いろんな人と出会う女将を比べて


自分はいかに狭く閉じた世界にいるのかとショックを受けたということだろうか…?



ここで物語は終わっているので

これ以上主人公の心情は語られないのだけど



もし、女将と比べて自分を恥じているなら

どうかそんなふうに思わないでほしいと思った



ひとり旅を楽しめるということは、

立派に自立して生活を成り立たせているということ。


そのうえで、自分の愉しみを見つけてもいるということ。


なにも恥じる必要はないはずだ。



女将はいろいろなお客に会うかもしれないが

私は案外、人が持てる世界の大きさはだいたいみんな同じくらいじゃないかと思ってる


広く浅いか、狭く深いかの違いくらい。



毎日を判で押したように

仕事して、生活して、旅に出る主人公の生活も、決して閉じてはいないはず



胸を張ってほしいと思った



 

 



 

一人旅行きたい★