「ファースト・プライオリティー」
山本文緒
31歳の主人公たちの
一番の最優先事項、
一番執着しているもの、
一番囚われているもの
そんなお話の短編集

どのお話にも共通するのが
主人公はみな31歳ということ
いろんな31歳たちの、
なによりも大切にしていることや
意思とは関係なく執着してしまうことがテーマ
お話の数も31個!
もはや、ショートショートに近いと思う
それぞれの主人公が固執する「最優先」に
共感したり、しなかったり
どの章にも感じたのが
主人公たちはみな、最初から凝り固まったわけではなく
むしろもともとは、平均であろうとしていたタイプなのではないかということ。
目立たないように、浮かないように
まわりと合わせてまんべんなく。
それなのに、どうしてかうまくいかない
ある日、バカバカしくてやってられなくなる
そんな苦い気持ちを繰り返した結果、
すこし偏ってしまった主人公ばかりのように思う
そして彼らは
必ずしも不幸そう、というわけでもないのもポイントだと思う
今後、特に気になったお話を紹介します