一日のほとんどを過ごす職場だけど
誰しも、職場では出さない本心や不満や切なさを抱えている
そんな短編集
第一話
「走れ、中間管理職」
しっかり者で、同期より少し早く管理職に昇進した優紀
ネチネチと粘着質な上司の内野、
ちょっとデキない後輩のかおり、
励ましてくれるけれど会社への不満をダイレクトにぶつけてくる同期の沙也
みんなに対しうまく調整したいと苦心する優紀だったが
少しずつ追い詰められていく

苦しい…
読んでて苦しかった
中間管理職あるあるといえばそうだけど。
優紀はがんばってるし、誠実なのに。
あと、妙に共感できたのが
頼れる先輩や、心のよりどころみたいにしてた先輩や同僚に対し
何か些細なきっかけで
あぁもうわかり合えないんだな。
と、自分のなかでバッサリ切り捨ててシャッターを下ろしてしまう瞬間があること。
別に、理不尽に怒られたとか
ミスをなすりつけられたということがなくてもです。
むしろ、こちらの方が理不尽かもしれない
たとえば、忙しい人手不足の部署で
なかなか人員を補充しない上部に不満を言いながら日々一緒に働いてきた人が
ある日突然辞めることになったとき
もちろん、転職なんてその人の自由なはずなのに
だけど、なんか私は秒でシャッターが下りるのがわかった
もちろん、笑顔で送別会をしたけれど
たとえば、職場の愚痴も言い合える先輩が
「本部」の役員に昇格したとき
いつもジャブ程度でかわしていた社内の噂話や愚痴を
どちらからともなく言わなくなって
お互いにシャッターがおりたのがわかった
今でもときどきラインはしますが
季節のお花の話題なんかをしてます
それはそれで良いけどね
働くってシンドイ
同僚も、友達ではない
だけど…
優紀目線の第一話は優紀にとにかく同情しましたが
今後、別の章では他の登場人物目線で語られるので
また別の感想を抱くことになります
