「主婦病」
森美樹


コレの続きです下差し

「森と蜜」


美緒は、整体師の夫と小学生の娘と暮らしている

自宅で整体院を営む夫と娘の世話をする穏やかな生活

その反面、美緒には繰り返し頭によぎる思い出があった
12歳のころ、はじめてできた友達の麗羅のこと。

美しくて、家庭環境が悪くて、最後は残酷な殺され方をした麗羅。

12歳で、美緒は女を封印したのだった



一話目の絵子下差しの母親の物語  



整体師の夫はゲス不倫をしていて、そのせいで

美緒は異常なまでに潔癖になったのだと思っていたのだけど



この章を読んで、美緒は12歳にしてすでに

男女の欲望を憎み、それは恐怖とも言えるほどだったとわかった



つまり、整体師の夫がゲス不倫をするずっと前からすでに

美緒は夫どころか男ぜんたいに心を閉ざしていて



夫に対しても

いつか本性をあらわすに違いない、

汚い欲望をむきだしにするに違いないと

常に警戒しつづけていたのだろう



そりゃー夫も浮気するかもな…とちょっと思ってしまったw



たしかに、12歳の時の麗羅の一件はあまりに衝撃的で

男性性を憎むのに充分なエピソードだとは思うが


それならなんで男性と結婚して子を持つにまで至ったんだろ?キョロキョロ

というのが単純な疑問ではある。




この章での「金髪の男性」は

通りすがりの男で、美緒は警戒していたはずなのに

最終的には半ば無理矢理に彼を誘惑する。



美緒自身の、

性的なものへの異常なまでの恐怖感と憎しみを具現化した存在だと感じた