負け逃げ
こざわたまこ

「蠅」
小太り、薄毛で中年の冴えない高校教師、秀雄
これまた冴えない中年の同僚、妙子となし崩しに付き合っている
秀雄は独身だが、妙子には夫と子がいる。
あるとき、国道のラブホテルで女生徒と鉢合わせする。
優等生の野口。どうやら不特定多数の男と関係があるらしい
秀雄は妙子と付き合いながら、かつての恋人、幸恵を思い出していた。
秀雄は、ある決意をする
前回、「大人になって良かった」とホッとした私でしたが
いやいや大人もどん詰まりよね。
というお話。
むしろ、大人の閉塞感の方が抜け出せない。しがらみがすごい
秀雄にとって、本当の癌はなんだろう?
私は、秀雄の癌は「実家」じゃないかと思った
毎日毎日家の中に蠅取り紙をぶら下げて、かつては家族に灰皿を投げた父親
何十年も同じパジャマを着て、秀雄の昔の恋人を何十年も覚えている母親
そしてこれらの描写は
、「田舎」のメタファーなのではないかと思った

あくまでも「田舎」の悪いイメージね
とりあえず、要所要所で
年老いた両親の暮らしや、中年の体、セックスの描写などが
意図的ではと思えるほど気持ち悪い

グロ描写はないけど、なんていうか嫌悪感

いちばんキレイなのは、ヤリマン野口なのではないかと思えるほど
