令和元年7月29日
「老後」という言葉があります。よく考えてみると、何とも
理解し難い言葉です。
サラリーマンが、定年間近になると話題にする「老後をどう過ごそうか?」
というときの老後は、定年後のことを言っているようです。
あるテレビ番組の中で、九十歳半ばをゆうに越えたお婆さんが、
野良仕事に精を出しながら亡夫の遺族年金や息子から貰うお小遣いを、
せっせと貯金しているので、リポーターが“お婆さん、そんなにお金を貯めて
どうするんですか?”と聞いたら、“老後の為です”と答えていました。
世間的には既に十分に「老後」と思われるこのお婆さんの言う「老後」とは、
一体いつのことを言っているのでしょうか?
九十歳台後半で、もう十分に老いている人の考える「老後」とは、
やはり働けなくなってから後のことなのかもしれません。
働いているうちは、幾つになっても、まだまだ「老後」ではないのでしょう。