平成23年5月11日
東日本大震災ほど「想定外」という言葉を聞いた災
害はなかったように思えます。
“「想定外」の津波に襲われた結果、東京電力福島
第一原子力発電所の非常用電源まで故障してしまった。”
という記者会見で当事者が想定外という言葉を連発した
裏には、「自分たちに責任はない」という気持ちがある
のでしょう。
似た言、葉に「人事を尽くして天命を待つ」という
コトワザがあります。この頃は聞かれなくなったようですが、
意味としては「成せば成る」,ということでしょうか?
でも、「想定外」にしろ、「人事を尽くす」にしろ、
前提としては「考えられることは全部やった」ことが条件と
なります。
もちろん人知を超えた自然の力というものはあります。
かつて地球に巨大隕石が衝突し、恐竜の絶滅につながった
とこともあるそうですし、噴火によってひとつの都市が壊滅した
こともあるようです。マグニチュード9クラスの地震も何度か
起きたと聞きます。
それでも私たちは「想定外」という言葉を使うことに慎重で
なければならないと思います。
その言葉を使うからには、本当に「考えられることは全部やった」
かどうか常に問い直す慎重さが求められると思うのです。