◆アリセプトを飲む意味◆
認知症の薬の代表格として、
有名なものが塩酸ドネぺジルです。
商品名は「アリセプト」。
普通の人はあまり知らないと思うけど、
認知症の介護に携わる人にとってはとてもよく知られた薬で、
ご家族の中には
「うちのばあちゃん、これ飲んでる!」
って人はたくさんいると思います。
なぜそんなに有名かというと、
そもそも認知症に効く薬が少ないということがあります。
一応最近はアリセプト以外にも、
メマリー、レミニール、リバスタッチ…
といったものが出てきていますが、
一昔前までは認知症=アリセプト。一択って感じでした。
だから専門医ではなく一般のお医者に行くと、
たいていはアリセプトが処方されます。
ちなみにアリセプトは、
認知症を治す薬ではありません。
あくまでも認知症の進行を穏やかにする薬です。
なので飲んだからといって、
その後が安心というわけではありません。
レビー小体型の認知症ではごく少量のアリセプトと、
抑肝散を組み合わせることで劇的に改善するという報告もあり、
まだまだ未知数の部分もあるのかもしれませんが、
それでも一般的にはそこまでの改善につながる薬ではないと
言われています。
それで、
ではどれくらい進行を穏やかにできるかというと…
実は本当に有効的なのは10ヶ月程度と言われています。
ハァ?10ヶ月?そんなバカな…
と思われるかもしれません。
「うちのばあちゃん、もう10年飲んでるよ!」
って人も多いでしょう。
べつにそれが間違いということではないです。
薬の効き方は人それぞれですし、
副作用が出ない人には、
飲まないよりは飲んだほうが希望は持てるかもという意味もあり、
医師の判断で何年も飲んでいる人がいてもおかしくないです。
実際に運よく?ある程度の段階で進行がなぜか止まる人もいますし、
それが全部アリセプトのおかげかどうかはわかりませんが、
マイナスになっていないのであれば、
やめる必要性もないというのも真実でしょう。
ただし本当に効果的なのは飲み始めてから10ヶ月程度と
言われているのも本当のことです。
(もちろん個人差はありますが)
ならば飲む意味がない?
それも違います。
認知症というのは進行する病気であり、
次第に何の判断もできないような状態になり、
ときには死に至る病気なのです。
ですが、それを10ヶ月伸ばせると考えてみてください。
たとえばガンに犯された人が余命宣告を受けた時、
何をしますか?
残りの人生に悔いがないように好きなことをしたり、
あるいは今後のことや、
治療方針を自分の家族や医師に相談するはずです。
すべて、できるうちにするのです。
自分らしく生き、
自分らしく死ぬための準備をするはずです。
でも、認知症の人は、しない。
しないから、
あとで家族が困ることになる。
重度になったとき施設にいれるべきかわからない、
ご飯が食べられなくなったとき、
胃ろうにしていいのかもわからない。
本人が望む暮らしがわからない。
どうしてほしかったのかわからない、
想像するしかない。
今後のことがすべて周りの人の想像で、
都合で決められていってしまいます。
自分らしい人生だと言えるでしょうか?
せっかくアリセプトを飲むことで、
少なくとも10ヶ月は進行を遅らせられるのなら、
その10ヶ月を有効に使ってほしいです。
なんとなく飲んだら意味がない薬でも、
意味があるようにできるのは自分次第です。