◆認知症の本人と家族どっちがつらいか◆
結論から言うと
「どっちもつらい」
です。
教科書的な話では
「本人が一番つらい」
と言われますし、だからこそ
ケアマネは家族ではなくまず本人の味方であれと、
教わってきます。
「本人なんてちっともつらくないはず」
と思っている人もいるかもしれませんが、
それは大きな間違いです。
認知症の人は好き放題に振る舞っているように見えるので、
全然つらいはずがないと誤解されがちですが、
少なくとも認知症になりたての頃は、
前回も書いたように本人は少しずつわからなくなる自分を
認識しています。
自分が違う人間へと変わっていくつらさは、
図り知れません。
しかし、家族はつらくないかといえば、
それもまた違います。
自分の愛する人が、
どんどんおかしくなっていく。
それを現実に目にして絶望しながらも、
あるいは希望を抱き、
しかし何度もそんな希望を打ち砕かれて、
それでも支えていかなければいけない苦しみ。
これもまた筆舌に尽くしがたいものがあると思います。
俺の場合身内の認知症介護の経験はまだありませんが、
うつ病の家族とともに10年以上、
いまだに戦い続けていて、
本当に身を切られるような苦しさを
何度も経験しています。
何かあるたび葛藤してしまいます。
本当につらいのはどっちなんだ?と。
だけど、たぶんそんなことを考えること自体、
意味がないのだと思います。
病気の本人も家族も、
そのどちらもがつらくて当たり前です。
比較をしようにも、
その抱えているつらさの種類がまったく違うので、
比べられません。
本人は自分が壊れていく恐怖を、
家族は愛する人が壊れていく恐怖を、
それぞれに味わわされているのです。
病気になった本人がつらくないはずがないのと一緒で、
病気の本人を支える家族がつらくないわけがありません。
家族の気持ちがわかりすぎてしまうのは、
ケアマネとして失格なのかもしれませんが、
現実は本当に白か黒かだけで、
判断できる世界ではないです。
誰もが深い暗闇の中にいる。