認知症と恋その2 | NobunagAのブログ

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■認知症と恋その2■

前回は高齢者とスタッフに焦点を当てましたが、
当然のことながら高齢者同士の恋というのも
充分ありえます。

気持ち悪いでしょうか?

しかし、もともと食欲、
睡眠欲、性欲は三大欲求と言われています。

性欲というほど生々しい感情ではなくとも
異性に憧れを持つ、
話をしたい、一緒にいたいと思うのは
人間として当たり前の感情です。

だからそれを否定しません。

人間らしく、
なんて建前を掲げていて、
恋を否定していたらおかしなことです。

しかし普通の高齢者ならともかく、
認知症の方同士の恋は、
本当に難しいです。

例えばAさんという男性と
Bさんという女性がいました。

Aさんはやや軽度の認知症、
BさんはAさんの名前を覚えられないくらい
わりと重度の認知症。

そんな二人はフィーリングが合うのか、
いつも一緒に過ごしていました。

実はBさんの夫は健在なので、
面会にくるといつもAさんが側にいることは
少し不快だったかもしれませんが、
それでもAさん、Bさんの二人は、
そんなことはおかまいなく
楽しい日々を過ごしていました。

そんなある日、
Cさんという方が入居してきます。

このCさん、非常に重度な認知症で
いつも幻覚が見えていて、
ほとんど一日中、

「バカヤロー!あっちに行け!」

などの不穏な発言が続きます。

するとBさんは自分が言われていると
勘違いしてしまい、
怒ります。

すると怒られた瞬間、
Cさんの攻撃対象も幻覚の相手ではなく、
自分を怒ってくるBさんに切り替わります。

あんなにおだやかに
Aさんと暮らしていたBさんですが
毎日Cさんに対して
イライラすることが続きます。

認知症の人に
余計なストレスをかけてはいけないと
言われていますが、
まさにそのとおり。

Cさんに引っ張られるように、
どんどんおかしくなるBさんは、
ついにAさんにまで暴言を浴びせるように
なってしまいました。

わけがわからないのはAさんです。

もちろんスタッフも、
これは病気のせいだからと
説明はしますが、
Aさん自身も認知症なので、
そのことが理解できません。

それどころか今まで信頼していたBさんに
嫌われてしまったというショックから、
みるみるAさんの認知症も進んでしまいました。


それでこの恋は終わりです。


ちなみにCさんはあまりに症状がひどく、
やがて違う施設に移っていきました。

それで解決は…しません。

もはや互いに症状が進んだAさんもBさんも、
かつての仲に戻るどころか、
あんなに好きだったお互いの顔すら
認識できません。


誰がいけないのでしょうね。

途中で入ってきて仲を壊すだけ壊して
嵐のように去っていったCさん?

もちろん、Aさん、Bさんの
恋のことだけを思えば、ね。

ですが実際に利用者を受け入れるのは、
さまざまな事情のうえのことです。

CさんにはCさんの、
苦しみが当然あって、
少なくともその時は
他に行ける施設もなかったのです。

悪いのはすべて病気。

ドラマのように認知症の恋が
うまくいくわけがありません。

それでもほんのすこしでも
幸せがそこにあれば、
やはり否定せずに見守ってあげたいです。