たとえば。
色々試行錯誤して、ある組み合わせのブレスレットを作成したとします。
ところが、店頭に並べて販売してみても、お客様の反応は今ひとつ。
あれ?私何か間違えたかなあ・・・と思ってみても、原因がわかりません。
売れ筋の組み合わせというのは、パワーストーンブレスレットにおいても、確かにあります。
この石とこの石を組み合わせていれば間違いない。
商業的な観点で言えば、そういう組み合わせは確かに存在するのです。
このタイプのブレスレットは、並べておくだけで売れるので、ある意味とても楽チンです。
色々な土地に行って販売する身としても、その土地の傾向さえ頭に入れておけば、あとはその土地に合った組み合わせのブレスレットを作って並べておくだけ。
参考書通りに答えを書いているのと、同じこと。
面白くともなんともありません。
でも、同じ場所で何度も販売していれば、常連さんは同じタイプのブレスレットは既にお持ちでしょう。
新しい商品を開拓していく必要があります。
今までなかった石を仕入れ、ちょっと今までとは違うタイプのブレスレットを作成してみても、お客様の反応は今一つ。
仕入れた石が悪かったのか、組み合わせが悪かったのか。
あるいは、私が冒険しすぎたのか。
色々考えては見るものの、結局そのまま、惰性で並べていたりもするものです。
ところが、ある時突然、そのブレスレットに惹かれる方が現れます。
それは本当に突然で、今まで石に興味のなかった方や、興味はあってもなぜか当店ではお買い物をしたことがなかった方だったり。
そして、そのブレスレットについて、なんとなく惹かれるなんてものではなく、ひどく気になって惹かれていたりするのです。
お連れの方とお話している間にも、その方の考えていることはただ一つ。
だって、見ているものが、変わらないんですから。
それはとても不思議なことで、今まで誰も見向きもしなかったブレスレットを、しきりに気にしているのです。
石は呼ぶと言いますが、万人が呼ばれる石と、そうでもない石とがあります。
例えば、ローズクォーツやインカローズは、若い女性なら、たいていの場合惹かれてしまう石です。
愛情の象徴でもあるこの石は、愛されたい女性の象徴でもあるかもしれません。
タイガーアイやルチルクォーツも、惹かれる方が多い石です。
もっともこれは、心から惹かれているのか、予備知識によって惹かれているのか、解り兼ねる部分もありますが。
金運だとか、富や財産を引き寄せる・・・なんて言われたら、気にするなという方が無理というものです。
ところが、それとは違って、あまり知名度のない石や、見た目にもそれほどインパクトのない石は、ブレスレットとなって店頭に並んでいても、ついつい見逃しがちなのは、事実です。
そんな石を、それよりももっとインパクトのある石の中から見つけ出し、何度もつけたり外したり。
これを、呼ばれると言わず、なんと言うのでしょう。
人の人生に置いて、必要な石は、人それぞれ違います。
お金や愛という漠然としたものは、必要と感じる人も多いのかもしれませんが、人は生きていく上で、みんなそれぞれ違う人生を歩んでいます。
当然、必要な石だって、人それぞれ違うのではないでしょうか。
一般的には人気がなくとも、その人にとっては、特別な石というのは、あるものです。
それは、特別高価なものでもなければ、ずっと探していたものであるとか、そんな理由でもなく、おそらく本当に必要な石。
それこそ、自分でも何で惹かれたのかすらわからない、そんな石。
私はブレスレットを組むときに、波動と相性をとても大切にします。
とはいえ、私は波動というものを感じることができません。
それでも、インスピレーションを信じて、これだという組み合わせを求めていきます。
そうやって、決定した組み合わせが、意味を持たないとは思えません。
思いたくないのも、正直なところありますが^^;
それでも、散々悩んで決定した組み合わせに、何か意味がある気がして仕方がないのです。
人気がなくとも、しばらく店頭に並べておくと、突然誰かが手に取るのです。
それは、何気なくなんてとても言えやしない、とてもはっきりとした、強い意志によって。
沢山ある中から、ピンポイントで手を伸ばすその姿に、こちらもはっとさせられるものです。
必要な石なんだと。
当店には稀に、人気のないブレスレットが並んでいます。
こんなブレスレットのどこがいいんだろう・・・。
そんな風に思う人もいるかもしれません。
でもそれは、ある人にとってみたら、とても重要な役割をしているブレスレットかもしれません。
万人受けはしないかもしれない。
でも、誰かにとってみたら、何者にも代え難い組み合せのブレスレット。
そういう、ピンポイントで求めている人たちが、世の中にはいるのでしょう。
私も商売をしている以上、売れ筋商品を切らすことはないでしょう。
それも、生きていく上で、仕方のないこと。
でも、それとは別で、人気のない石にも、スポットを当て続けたい。
世の中には、その石を必要としている人が、必ず存在するのだから。