Garden At random
序の1 Adviser ここにお庭用の土地を手に入れてから、半月ばかりが過ぎた。 最初は土を耕すのが精いっぱいで、さっぱり何をやっているのか分からなかったけれど、最近ようやく野菜や花を少し植えられるようになって、庭らしい体裁ができてきたように思う。 ずっと飼いたかったニワトリや牛も飼えるようになって、ご近所さんとのお話もできるようになって、お手伝いとか、ご飯も少し… そんで、庭のお手入れの合間の小休止に、さっき聞いた話を思い出したりしていた。 「うぅ~ん… 伝説のお庭、なんて本当にあるのかなぁ…!?」 少し前まで「伝説のお庭」ってのがあちこちで話題になってたらしい。 何でも、そこに行けばラッキーな出来事に出会えて、いい巡り合わせのお友達ができて、本当に幸せなお庭ライフが送れるようになる、とか… でも、そのお庭の話を聞いたことがある、って人は結構いたけど、それがどこにあるのか知ってる人はいなかった。そして、知り合いで行ったことがある人がいるっていう人もいなかった… で、「伝説のお庭」らしい。 「本当かどうか、確かめようもないじゃない。ねぇ…!?」 お客様は誰も来ていなかったもんで、つい、そばにいた動物たちに話しかけるような恰好になってしまった。そしたら、 「あるぞ、伝説の庭」 って、返事が返ってきた。えっ!? 誰もいないのになんで!? あわてて声のほうを向くと、動物の柵に片肘ついてこっちを見ている男の人がいた。 「え? ええ!? あの… どちらさま!?」 お客様じゃない。だって、お客様が柵の中にいるわけないよ!? 「俺!? 俺はこの庭のアドバイザー」 アドバイザー? そんなのがいるなんて聞いたこともない。 「聞いたことないか!? どこの庭にもいるんだけどなぁ… ま、オーナーが喋りかけなきゃあ、しゃしゃり出ちゃいけないことになってるからなぁ。」 「ま~ったく聞いたことないんですケド。それに、アドバイザーってのがホントにいるにしたって、あなた、いったいどこから現れたんですか~!?」 「ん? ず~っといたけど。あんた、最初にニワトリ飼ったろ、白いやつ。あれが俺の仮の姿」 「…!!! ん、んなバカなぁ~っ!!!」 … 信じられます!? ニワトリが、しかも何度も卵産んでるんだから雌鶏のはずなのに、なぜか男の人の姿になって、しかも喋って… その上更に、外見が忘れもしないあの人に似てるだなんて~!! 「バカはないだろ…」 呆れたように首をすくめるそんな仕草まで、何で似てるんだろう… 雌鶏なのに~ 驚くあまりその後ビックリ顔のまま固まった私を放って、彼は勝手にテーブルに行って、これまた勝手にお茶を煎れて飲み始めたのだった。 <ツヅク>* 次回はいつになるか分かりません。気の長い方のみお付き合いくださいませ m(__)m