孤児でも全然孤独じゃない | いっぺん死んでこい〜女医NOBUKOのブログ〜

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生き方も死に方も自分で決めるんだよ?
女医が語る、生き方・死に方・日常のあれこれ

今日のコルカタは
最低気温26℃最高気温39℃湿度100%!

今日も恒例の、日本からの時差を考えないLINEで
朝は起こされてみたら

今朝はえいみーたまに真面目に書いた投稿をリブログしてくれてて



あらー今日はえいみーテロだ




って思ってたら。。
仁さんからいいねが来てあわわわした!


 

 

ええ、私でもあわわわします

つい最近もお腹の事で夜中にあわわわしてたしw

 


 

午前中の施設は、今日は日曜日で休息の日なので

朝一の洗濯もなく やけどの処置も終わってて


勤勉な日本人としては

やることがないと手持ち無沙汰で困ってたんだけど

 

日曜だからこそある

施設内のミサに参加することになり


でも「ここなら居眠りしても大丈夫だから」

って席に案内してもらったから

もちろん安心して寝ました爆

 



今日来ていたシスターたちは、集金力の高いsuperiorと言われている幹部候補が多くて


 

綺麗なことばっかりじゃないよねーと思いながら

これまた珍しい、日本人の神父様の英語の説教を聞きながら寝ました爆



 

女性のフロアは

本当に皆さん元気な人たちばかりなんだけど


男性フロアでお祈りが始まったと聞いて行ってみたら

(もうすぐ亡くなりそう、て時にお祈りが始まるらしい)


 

自分で座ってるし目も開いてるし

 


え、全然元気じゃんね

 


ってまず思ったんだけど

 



彼は酸素を吸って復活したとかで

思わずボランティア長い日本人の方に、ここ(施設、インド)での延命治療について聞いてみた



 

彼女自身は最期は枯れるように過ごすのがいいって思ってるけど、ここのシスターナース達はそう思っていなくて


 

医者も来るけど、低い階層の人たちの事はもう

暗黙の了解で細かい指示は出さないと

 


喉頭癌で食べたいのに食べられない人には管を入れて

栄養を注入するのは賛成だけど


結局自分たちの自己満足で延命しようとするのには納得がいかない


 

ま、これは彼女自身が身内での経験を踏まえて

今の考えになったわけだけど


 

その彼を取り囲むボランティア達の中にも


酸素を吸わせた方がいいだの

水を飲ませなきゃダメだの


思ったことをみんな口にしてた

 

どこでも根っこはおんなじなんだなーと思いながらお昼へ

 



通りがかりに入りたくなるかな?ていう案内で

 

店内は薄暗く、しかも青い照明のお店

 

キッチンは屋外w

 

青い照明のため、夜のお店かと思うけど

 

あんかけ焼きそばが美味しかった!

(照明青いから美味しそうじゃない)

 

 

 

午後は真っ黒な雲の下

雨が降り出した中子供の施設へ


 

昨日の子は、生まれた時に

お母さんが亡くなってしまって

それで孤児になったみたい

 

どうしたかなーって目をやると

まだベッドにいる


でももう熱はなくて

下顎呼吸で(亡くなる前の呼吸)

 

 

昨日私が胸が詰まるほど感じた

生へのエネルギーは全く感じられなかった


 

施設の人やボランティアが

代わる代わるその子をさすってお祈りしていたし

シスター達も他の建物から代わる代わる見に来ていた

 

 

午後はいよいよ天気も悪くなり

夕方かと思うほど真っ暗で


風や、雷が近くで落ちた大きな音で

子供達は大喜びしてた



 

食事介助では

飲み込むようにすごいスピードで食べる子が多く


見えなくても口を開けたり

お皿に手を伸ばしてもっと!って

意思表示をする子たちを見ていると

 

生への意思表示がストレートに伝わって来る

 


大人の終末期の意思表示には

どうしてあーだこーだ言う人が多いんだろうね

 

 

 

って思いながらの

夕食介助を終えて帰ろうとしたその時

 



赤ちゃんの呼吸がとうとう止まって

シスターが心臓マッサージを始めた

 

 

え。。。心マするんだ。。。て思ったけど

 

 

大した回数しなかったので、かなりホッとした

 

 

シスターはお祈りの言葉を言いながら

聴診器で胸の音を確認して

その子の最期を確認した

 

 

赤ちゃんの周りには

シスター、いつも看ているスタッフ

ボランティア等々、合計20人以上がいて

 


みんな啜り泣きながらシスターの言葉に合わせて

長い間お祈りをした

 

 


 

ここは孤児院て名前の施設で

この子は孤児だけど

全然孤独じゃないじゃん

むしろ、こんなに沢山の人に見守られてる

 



 

昨日とは打って変わってむしろ安堵の気持ちで

今日は見送れた

 

 

 

体を綺麗にした後、ベビーパウダーを全身にはたいて

銀色の刺繍が施された、白の上下の洋服に着替えて

手には白い手袋、初めて履くであろう白い靴下を履いて


 

おもちゃがしまってある部屋が霊安室に変わってて

そこへ丁寧に抱っこされて移って行った

 

 

 

帰り道、全く来るつもりのなかった孤児院に来た意味を考えながら



 

そうだ、今日は母の日だったと



 

朝一母に送ったラインとその返事を見返しながら

 

 

優秀で誰にも好かれて娘から見ても可愛く

憧れだった反面


 

良妻賢母の面は

反面教師にしてきたんだなあと(できなかったし)

 


 

それでも母がいなかったら今の私はいないわけで

 

今日は何も贈っていないけど

 

今日も元気でいてくれてありがとうなのです

 

 

 

ほんとに毎日毎日

 

これでもか!って私の目に飛び込んで来るものがたくさんありすぎる

 

 

人生一回はインドだね


 

 

おしまい