マンションでのペットとの共存を考える | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
一人ひとりが自分らしく活躍しながら、力を合わせることで豊かに暮らす、新しいコミュニティ型社会を目指して・・・

こんにちは! 廣田信子です。

 

前回の30年前、

設立総会でペット飼育化に規約改正したマンションの

話の続きです。

 

当時の方から連絡をもらいました。

 

「『管理組合設立発起人会』の席上、

ペット飼育の規定に反対の意見を述べたのは、

 

ペットの幸せのために

ルールの中で問題を解決できる環境づくりに奮闘していた

獣医の方々の影響が大きかった」といいます。

 

ペット可を目指した理由は、

1.高齢化の進展とともに、家族の一員としての要望が高い、

2.盲導犬、介助犬など「サービス犬」の存在と役割が

      社会的に認知されている。

3.認知症、長期療養者などの「アニマル・セラピー」としての

      評価が高まっている。

 

等でした。

 

「設立発起人会」に参加した8人全員の賛成で、

「ペット可」となったのです。

 

設立総会では、ペット可の規定に、

「本当?意外だね」という反応はありましたが、

一切の異論もなく承認されました。

 

30年前、マンションではペット不可が当たり前の時代です。

1998年の新築マンションでペット飼育可はたった1.1%。

それが、07年には86.2%まであがっています。

 

もちろんペット飼育可とすることで、

新たな課題も発生します。

 

「感染症」や「アレルギー」などの心配、

泣き声による迷惑や

ペットが怖い人、嫌いな人への配慮が必要です。

 

設立準備会に集まった人はペット可を喜んでいましたが、

ペットクラブ加入への理解はなかなかたいへんでした。

 

ペットを飼っている人が自ら問題を収める仕組みが大切で、

そのことが飼っていない人の信頼関係を生むということを

辛抱強く伝えていきました。

 

 

ペット飼育可を考えると、

アレルギーの方の反応が頭をよぎります。

 

それに関して、

他のマンションで下記のような話がありました。

 

「ペット禁止の団地に住んでいたが、実際にペットがいる。

子供がアレルギーで、

何とかしてほしいと理事会に要望を出しても、

 

『この団地はペット禁止だから、いることを前提にした

規約や要望は受け入れられない』と言われてしまって

どうしようもなかった。

 

そこで180度転換し、ペット可のマンションを購入し、

しっかりしたルールやマナーを考えてもらおうと思った」

と言います。

 

実際にこの方の考え方は取り入れられ、

ペットアレルギーの子供も、

無事、生活できています。

 

このペット飼育可を提言した方は、

自身はペットを飼っていません。

 

未来を考えたゆるやかな説得力がある対応が

大きかったのだと改めて思います。

 

これで、マンションのコミュニティが

確かに変わったのです。

 

 

 

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