その理事長は、勘違いワンマンか、英雄か | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
一人ひとりが自分らしく活躍しながら、力を合わせることで豊かに暮らす、新しいコミュニティ型社会を目指して・・・

こんにちは! 廣田信子です。

 

私の理解を超える相談が!

 

総会で、

高木伐採の予算だけが認められなかったんです。

 

高木の伐採については、

新理事会で再審議することになったんですが、

 

もう、その木は切ってしまっているし、

管理会社から請求書はきているのに、

どうしたらいいか…と。

 

完全輪番制で、今期の新理事会は、

前期の理事は一人も残っておらず、全員新人です。

その中で理事長になってしまった人が悩んでいるのです。

 

 

えっ、総会で承認されなかったのに、

何で、その木を伐採してしまったんですか?

 

と聞くと、

 

それが、今期2019年4月~の事業計画、予算の中に入って、

 

5月末の総会で承認される直前に、

前理事長が発注してしまったんです…と。

 

総会で承認される前に??

何か緊急で伐採しなければならない事象が発生したのですか?

 

と聞くと、

 

特に何もないのです。

で、何で、その木を伐採しなければならなかったのかも

よくわからないのです。

 

確かに、その木は、一本だけ建物に近いところにあるので、

大きくなり過ぎて邪魔だし、高所剪定にお金が掛かり過ぎるから、

切った方がいいのでは…というような話が、

ときどき話題にはなっていたようですが…

 

緑は貴重だという方もいるので、

そのままにされてきていて、

 

それが、何で、今年、総会の議題にもしないで、

切ってしまったのかわからない…と。

 

詳しく聞くと、

 

確かに、今期の事業計画の5月の剪定のところに、

その高木の伐採が入っていて、

その分の予算も計上されています。

 

ということは、

少なくても、理事会では、

それを承認していたように見えますが、

 

前期の理事の方々は、自分たちは知らない。

理事長が何でも勝手にして、

何か意見を言うと、激昂するので、

何も言わなくなってしまっていた。

 

理事長が、勝手に、管理会社に、

伐採を入れた植栽管理計画をつくらせ、

勝手に、発注してしまったんだ…と言っているというのです。

 

総会では、

伐採に反対の人からの厳しい意見が出て、

そこでは収拾がつかずに、

伐採の予算だけは保留(もう伐採してしまっているのに…)

ということで、今期に申し送られてしまったというのです。

 

現在の標準管理規約の考え方では、

 

管理に関する事項は、基本、総会承認が必要だけど、

 

経常的支出で、

総会前に支出するのがやむを得ないものに限って、

理事会決議で、

その期の総会前の支出を認める…となっています。

 

契約に基づく支出や、電気料金、水道代、

毎年、その時期に行ってる剪定、消毒作業等がそれに当たります。

 

高木の伐採というような特別なことは、

総会で承認されてから実施するのが当然と考えられるのに…

 

管理会社は、

伐採は、総会で承認されてからにしましょう…と言わなかったのか。

言っても理事長が聞かなかったのか…。

 

当の前理事長は、

植栽管理計画に基づいて発注をしただけ。

 

植栽管理計画に伐採は入ったのは、

専門家が、その方がいいと判断したからで、

とやかく言われるのは心外だ…と言って、

総会でも開き直り、譲りません。

 

対立を見かねた組合員からの意見にしたがい、

伐採だけ新理事会に申し送りで、

その他を採決してしまったのです。

 

新理事長としては、

 

自分がやったことの責任は、自分でとって、

委任状が集まっているのだから、

反対者がいても、

伐採についても承認の採決をしておいてもらいたかった。

切ってしまったものは戻しようがないんだから…と。

 

で、前理事長を糾弾する声が大きいかというと、

ワンマンだったとやり方は批判するけど、

 

伐採したことについては、

陰では、よくやったという人も結構多いので、

 

理事長が勝手にやったんだから、

訴訟してでも、理事長に伐採費用を出せるべき…

という声にはならないというのです。

 

この理事長の行動は、

 

単なる勘違いの横暴なのか、

本人が言うように、管理会社の提案に従っただけなのか

 

それとも…

周到に準備して、次期会計年度に入っているのに、

自分が理事長としての権限がある2カ月をピンポイントで狙って

 

いつも議論になるのに、

強力な反対者がいるためにみんながしり込みする

その木の伐採を実行した英雄(のつもり)なのか…

 

新理事長も分からない…と。

 

で、結局は、

 

切ってしまったものは仕方がない。

あとは、その費用負担だけど…

 

総会前に実施した管理会社にも落ち度がある

ということにして、

 

減額交渉をして、何とか努力したといくことで、

収めるしかないか…と思っている。

本当は、そんなことしたくはないけど…と。

 

何とも複雑なのは、

 

その管理組合では、

理事長が次の期の監事になることになっていて、

 

この問題の当事者である前理事長は、

今期の監事なんです…と。

 

えっ、そんなに総会で理事長が責められたのに、

監事選任には、何も異論が出なかったの?

 

と聞くと、

 

そうなんです…と。

 

私は、管理会社と、この新理事長が

ちょっと気の毒になりました。

 

管理組合運営では、

本当に予想をはるかに超えることが起こります。

 

総会前に、木を切っちゃうなんて、

それを追認することになっていいんですかね。

 

それが一番丸く収まる方法なのか…と思いつつ、

複雑です。

 

 

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