管理組合法人に一定の権限が必要 | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
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こんにちは! 廣田信子です。

 

旧借地法時代の借地権マンションが、

次々と更新時期を迎えます。

 

地主から相続税支払いのために

底地を買ってほしいと申し入れがあったり、

 

管理組合として、

契約を更新したい、買い取りたいと考えた場合、

 

どのような手続きでそれが可能なのか…

日本の法律でははっきりしていません。

 

もちろん、

借地権者である区分所有者全員の合意があれば、

問題なく可能なのですが、

 

買取価格の適正、費用負担ができるかという問題もあり、

全員合意は難しい場合も多いのです。

 

齋藤広子教授の発表の中にあったあるマンションは、

 

マンション管理センター通信でも紹介された

よく知られたマンションの事例です。

 

1969年竣工の108戸のマンションで、

その中に、地主所有が14戸あるという事情があります。

 

もともと40年の借地契約をさらに30年更新しています。

したがって、2039年まで借地契約は続くのですが…

 

100年マンションを目指して

建物の維持管理をしっかりしている管理組合としては、

2039年で終わりにするとは考えておらず、

さらに更新するつもりですが、

 

借地契約の終わりが見えてきたことで、

中古購入時に銀行融資が受けられなくなり、

現金購入しかできないことで、

市場価格の低下が顕著になってしまいました。

 

そこで、

このまま維持管理するにしても、

将来建替えるとしても、

底地の買取が必要だという議論が始まりました。

 

底地の買取は、

総会で、全員合意で決議できました。

 

この場合、全員合意なので問題はないのですが、

 

もし反対者がいた場合、

特別多数決議で底地の買取を決められたかどうかは、

明確ではありません。

 

でも、この管理組合は、

底地の買取という目的を果たすために、

様々な方策をとっています。

 

まず、不動産鑑定士の評価額を元に交渉したのですが、

地主から25%上乗せの価格提示があり、

これを受け入れています。

 

これは、区分所有者の中に地主が一定数いることも考慮し、

円満に話が進むよう譲歩したのではないかと

考えられます。

 

このタイミングで底地を買い取るという目的を達成することを

第一に考えたのだと思います。

 

その上で、

現金で買い取れない区分所有者には、

金融機関の特別のローンが利用できるように交渉し、

 

さらに、それでも、

買い取れない、又はそれを望まない区分所有者の分については、

管理組合法人がローン融資を受けて買取っています。

 

底地を買い取らなかった区分所有者には、

ローンの金利と固定資産税分だけ負担してもらい、

 

土地の買取費用については、

売買か相続のときに清算することになっていると言います。

 

管理組合によるリバースモーゲージです。

 

この管理組合の決断のセンスと

きめ細かい気配りに頭が下がる思いがしました。

 

この事例は非常にうまくいった事例ですが、

反対者がいた場合、特別多数決議による底地買取が、

可能かどうかは判断が分かれています。

 

借地や地代に関することに管理組合が関わることについては、

区分所有法の想定外ですが、

 

管理組合法人であれば、

関与が可能という考え方もあります。

 

実際に、それができないとどうしようもない現実があり、

法整備が求められています。

 

分科会の中でも、

そういった意見が多くみられました。

 

報告の中で、

イギリスとハワイ州の事例が紹介されていました。

 

イギリスでも、ハワイ州でも、買取の合意形成は管理組合で行い、

2/3の賛成で可能と言う法整備がされています。

 

今後、管理組合法人が一定の権限を持つような法整備がないと、

様々な区分所有ゆえの課題を乗り越え、

マンションというものの市場価値を維持できない

 

そんな時代が来ていることを改めて実感しました。

 

 

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