人を見かけでは判断しないようにしているつもりだが、
このたびは、はるかに予想を覆された。
丹波新聞に掲載されたこの写真からは、
口数の少ないおとなしい人に思えた。
ところが、実際対面してみると、クッキリハッキリ
よく響く声で、思ったことを饒舌に話す人だった。
柏原中学校の養護教諭で、保健学博士の足立節江さん。
中学生の健康と行動、認識などについて研究して英語で執筆した論文が、去年、日本学校保健学会の「学会賞」に選ばれた。
中学生の健康に関する興味、関心が、よく眠るため、体型維持のためなど「健康増進」ほか4因子にあることを明らかにし、これら因子を使った授業をすることが、生徒の健康向上につながると発表した。
足立さんは、「授業で、いきなり『睡眠を取ろう』『朝ごはんを食べよう』と導入するのではなく、生徒の生活習慣など身近なところから質問を投げかけることで、生徒の生活により効果的に落とし込むことにつなげたい」という。
600人以上にアンケート調査をした結果、
中学生の健康に関する考え方が次の4つに集約される。
●健康増進のために運動(よく眠るため、体型維持のためなど)
●適切な行動をする(家族で食事、食事のマナーを守るなど)
●自分で時間を決めて生活する(夜更かしをしないなど)
●時間を決めてスマホを使う
中学生の日頃の行動が健康増進につながることを、授業で意識させることが大事と改めて思った。
足立さんは、「何事にも負けじ魂を発揮してしまう」タイプ。
どんなことにも一生懸命だ。
自宅にある栗も、野生動物に獲られる前に、収穫してしまおうと
必死。学校を定時に引き上げ、日が暮れるまで栗と一心不乱に向き合う姿が目に浮かぶ。
学ぶのが好き。なんと5つの大学や大学院に通った経験を持つ。
神戸大学医療技術短大を総代で卒業。看護師の資格を得る。
さらに養護教諭免許、保健師の資格も得た。
兵庫県立総合衛生学院保健養護科を経て、丹波の小学校で養護教諭として働き始める。
結婚し子育てしながら「自分は何者なの?」とモヤモヤが発生。
さらに学び欲が湧き、佛教大学社会福祉学科通信課程に入る。
4年かけて卒業後、今度は、兵庫教育大学大学院修士課程で学ぶ。さらにさらに、神戸大学大学院保健学研究科博士課程で学び、保健学博士号を取得。
すべて「負けじ魂」をいかんなく発揮しての成果だが、ご本人は涼しい顔をしている。「自分の心の声に素直に従ってきただけ」という言葉に、さわやかさを感じる。
だから、子どもたちの心の声も、素直に聞くことが出来るのだろう。
足立節江さん出演の「たんば女性STORY」は
10月1日、8日20:00~、
その週の土日10:00~、FM805で放送予定。
鎌倉FMでは、その週の木曜日13:30~。