おもちゃ美術館で種まき | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

東京四谷にある「おもちゃ美術館」。

戦前に建てられた木造校舎を活用した交流&体験型ミュージアムだ。

旧四谷第四小学校の校舎を活用し、10万点以上ともいわれる収蔵品のなかから、日本の郷土玩具から世界の木製玩具まで様々なおもちゃ文化を紹介。0~99歳までが楽しめる多世代交流の館を目指している。館内は木のぬくもりにあふれている。

 

運営は、特定非営利活動法人 芸術と遊び創造協会。
おもちゃ美術館の設立母体は、芸術教育研究所という民間の研究所だった。「人間が初めて出会うアートは、おもちゃなのではないか」という想いのもと、研究所の付属施設として設立されたのがはじまり。

“見る・作る・遊ぶ”の3つの機能があるだけではなく、世界のおもちゃを借りられる「おもちゃライブラリー」やおもちゃを修理する「おもちゃ病院」など、小さいながらも話題性のある施設だった。

地域で愛された小さなミュージアムは、いま全国各地に広がりはじめ、開館予定含めると18館に及ぶ。

 

おもちゃ美術館理事長の多田千尋さんには、ラジオビタミンにレギュラー出演していただいていた。12年ぶりのご縁で、美術館の職員研修にお招きいただいた。

「伝わるように伝える」を中心テーマに、双方向で講義した。質問もたくさん出て、充実した内容になったと思う。

参加者の感想から。

●研修の 翌日、複数人の職員が、当日居なかった次の誰かに向けて、 印象に残ったことばを話したり感想を伝えている場面を見かけ、 参加した職員全ての心に残る研修だったと実感しています。 

私は 聴いたことばで「信頼」が、 発したことばで(ことばを発した人の) 「人格」が作られると考えました。 

「発したことばで『未来』が作られる」は、 まさに、我々が日々注力していることであるにも関わらず、思い浮かばなかった。。 勇気づけられるフレーズであると同時に、ことばを発する側の責任を感じます。

 陽転思考、大事ですね。 ネガティブな表現や声がけは避け、 相手が気持ちよく耳を傾けられる「伝え方」にもがく毎日で、「ことば探し」を繰り返していた自分も 『間』を意識することで、 「ことば探し」のジレンマから少し抜け出せるのではないかと 思い始めています。 

ことばの力で育つ自分(未来)を もう一人の自分がリスナーのように見守ることができたら、 うまくいかなったことも楽しめるようになるのではと と思う研修でした。

●伝えることと伝わることは雲泥の差があることを改めて感じました。自分が発した言葉の1%しか伝わらないという村上さんのお言葉にとても納得しましたし、それほどの謙虚さをもって誠実に伝える姿勢を持ち続けたいです。
講義全体を通じて、かなり村上さんご自身の失敗談や弱みをお話下さっていましたが、そのように自己開示していくことも相手と距離感を縮めるコツなのかなと勝手に解釈しています。
お話のプロフェッショナルでいらっしゃる村上さんに、非常に近い距離感でお話を伺えたこと、とても貴重な機会でした。今後の人生に活かしていきたいと思います。

●4月から中間管理職になり、今までよりさらに「きく」事の重要性を痛感 していた所でした。 今までは「意見を求められる側」でしたが、現在は「きき役」であることが求められ ると日々感じています。 

そのため、「聴す」という言葉が出てきたときには思わずうなりました。 私がここ数か月間ずっと感じてきたことと、点と点が繋がった感じがしました。あちらを立てればこちらが立たない、と感じることもありますが、 「聴す」「間」を心に留めて進んでいこうと思います。