「百万本のバラ物語」感想① | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

加藤登紀子さんを招いての寺子屋に、およそ100人の方が来場した。

その中に、横田南嶺さん、吉元由美さん、榎木孝明さん、高野登さん、木村まさ子さん、これまでのゲストが5人も来てくださった。

来場したみなさんの多くが、SNSに感想を書いてくださっている。

 

中でも、円覚寺管長の横田南嶺さんは、克明にメモを取られ、長文の感想を書かれている。それを一部紹介する。

詳細は、5月9日のYouTube配信「管長日記」で。

 

加藤さんは、さすがの村上さんもたじろぐような迫力でした。
時代を生きた人だと感じました。
私などのように戦後の平和な時代に産まれた者にははかりしれない深さを感じました。底知れない深淵をのぞいたような気持ちでした。

 

南嶺さんの好きな坂村真民の詩に「一字一輪」というのがあります。

「字は一字でいい 一字にこもる力を知れ

 花は一輪でいい 一輪にこもる命を知れ」

「花は一輪でいい」、その対極にあるように思うのが、「百万本のバラ」ではないかと思うのです。

いろんな会話がある中で、ふと加藤さんが「バラは一本でいいの」とつぶやかれたのが心に残りました。

数え切れないほど「百万本のバラ」を歌われた加藤さんが「バラは一本でいいの」と言われたのが最も印象的でした。

重くて深い一輪なのです。

四十年近く前の修行僧の耳になぜ「百万本のバラ」の歌が残っていたのか、その歌に込められた深い哀愁の一端を知って、少しだけ分かった気がしたのでした。

 

作詞家の吉元由美さんの感想。

「百万本のバラ」の原曲は、大国に翻弄されたラトビアの嘆きを歌った子守唄でしたが、1982年にロシアに持ち込まれロマンティックな愛を歌った歌詞がつけられたそう。グルジア(現ジョージア)の画家が女優に恋をし、彼女の泊まっているホテルの前の広場をバラで埋め尽くしたという逸話に基づいた物語が「百万本のバラ」という歌になりました。

圧倒的な物語。

すべてではないけれど、歌には圧倒的な物語が必要なのだ。ガツンと、拳で胸の奥を叩かれたよう。それがフィクションであれ、ノンフィクションであれ、人間の心の芯であるとか、生きることであるとか、その熱さや冷たさをこの手に感じること。うまく言葉にできないけれど、その勇気のようなものが必要なのだと。生ぬるく生きている自分を恥じてしまった。

 

参加した一人から、こんな嬉しいメールが届いた。

素晴らしい時間でした。 加藤様は神様から選ばれた使者なのだと感じてしまいました。 お母様のお話しも泣けました。 

加藤さんは、生きる事に貪欲で逞しくて優しいお人柄の方だと確信でき嬉しかったです。 平和への思いにも心から感銘いたしました。 震える瞬間が何度もありました。
引き出される村上様にも あらためて尊敬の気持ちを募らせました。 加藤様にとっても貴重なお時間だったのではと生意気ながら感じました。
介護が始まってしまったのでよりタイトになってますが、なるべく寺子屋には参加しないと人生、損してしまうなと確信致しました。
学び続けて、年齢を言い訳にしない素敵な先輩を目の前にできた事で、怖がらず年齢を重ねてゆきます。 そして、真剣に役立てるよう努力してまいります。

                   (参加者の感想、さらに次回につづく)

 

横田南嶺さんと

木村まさ子さん、榎木孝明さんと

入田直子さんと

吉元由美さんと