談志の大遺言 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

新年最初の「大人の寺子屋」。

落語家の立川談慶さんを招いて、師匠・立川談志の伝えたかったことを代弁してもらった。

談慶さんは、1965年、長野県上田市(旧丸子町)の生まれ。
慶應義塾大学経済学部を卒業後、株式会社ワコールに入社。

3年間のサラリーマン体験を経て、

1991年に立川談志18番目の弟子として入門。

前座名は「立川ワコール」。

9年半の時を要して、2000年に二つ目に昇進。

それを機に、談志師匠に「立川談慶」と命名される。

2005年に、真打ち昇進を果たした。

 

立川談志は、評価が二分される。

落語界中興の祖と持ち上げる人もいれば、

異端児と切り捨てる人もいる。

会場の参加者は、どんなイメージを持っているのか聞いてみた。

●変人、信念がある、洒脱、粋、ケチ。

●毒舌家、革新家。

●破天荒。破壊的。

●粋で面白く痛快な人。

●自信家だが、他人の評価も気にしている人。

●自分の世界を作り生きた人

●本質をズバリ突く落語界のカリスマ。

●弟子に厳しいようだが、実は優しい

●芸事に対する知識が深い。

●落語の出来不出来の差が激しい。

●ピリッと辛口で、天邪鬼。

●昭和を代表する落語家。

●豪快。自由人。

●知的な雰囲気。

●落語に「業」を持ち込んだが、落語に「業」は必要なのか疑問とともに思い出す人。

●天才、奇才。人と違ったことをやりたがる。

●ものすごいエネルギーを持っている

●得も言われぬ空気を漂わせ、それをかき混ぜるように「芝浜」をやっていた。

●口は荒いが暴力は嫌い。

●笑点の名司会者。

●本音本気の人。

●後にも先にも現れない天才落語家。

 

談慶さんによると、これらのイメージは全部当たっているそうだ。

これだけ多面体の魅力があるということだ。

弟子たちの「俺がルールだ」と、無理無体なことを押し付ける。

天邪鬼ぶりを発揮して、相手を困らせる。

暴言、失言、批判、批評、一切歯に衣着せない。

こういう態度が誤解を呼び批判を受けた。

だが、これらすべては計算済みで、相手の反応を窺いながら、

危機管理能力を確かめていたのかもしれない。

                            (この項つづく)

 

(談志発掘のネタ『人情八百屋』を熱演)