旧知のメンタル歯科医、松谷英子さんの長女、咲さんが、
率直な「15歳の気持ち」を綴った。
咲さんは、2006年生まれ。16歳の中卒だ。
私立進学高校へ入学したが、個性をつぶす偏差値教育に耐えられなくなり、たった4カ月で「高校に行かない選択」をする。
母親との対立で家出し、極貧一人暮らしを経験した。
現在は、タトゥー彫り師。
高等学校卒業程度認定試験を受けて、海外へ留学すべく準備中。
咲さんは、まえがきでこう書いている。これを読めば、この本を書いた動機がわかる。
今の私の学歴は「中卒」。
15歳の高校一年生の6月に、不登校になりました。
そして、同じ年の8月、高校を中退しました。
不安や怒り、先生方への不満。大人へのあきらめ。
「こんなはずじゃなかった」「大人になんて、なりたくない」
そういう気持ちが大きくなり、
高校に行くことが耐えられなくなってしまいました。
自殺を望んでいた友人のこと、絶望させられた高校の先生のこと、親の顔も見たくなくなって家を出た一人暮らしのこと、私と同じ16歳で自立している友達のこと。
この本では、高校を中退した理由や、学校を辞めてからの1年で私が経験したことや考えたことを書いています。生意気なこともたくさん書きましたが、16歳の自分の素直な気持ちです。
書店には「生き方」の本がたくさん並んでいます。
でも、それらは大人の書いたものばかりです。
15歳、16歳の私たち世代がどのように感じ、16歳の自分が、どのように自分の道を切り開いていこうとしたのかも、大人の人たちには知ってもらいたいと思っています。子育てをしている親御さんや学校で「先生」と呼ばれている人たちにも、何かを感じていただけたらと思っています。
誰かに言われたのではない。学校で教わった人生ではない。
自分の意志で、自分の個性を最大限に生かしていく方法を見つけたい。こう考えて過ごした私の1年、ありのままを記録したこの本をきっかけに、誰かの未来が輝くものになったら、嬉しいと思っています。
高校を辞めた理由の一つに母親からの過度な期待があった。
期待は、親の勝手な妄想。子どもの可能性を奪い去る。
子どもに期待せず、何があろうと信頼してほしいと、咲さんは訴える。
いつも、子どもを寛大に見守ってほしい。
子どもの幸せを願うなら、親は手伝わないでほしい。
信じて期待はしないでほしい。
彼女は、高校を中退し、一人暮らしをする中で、気づいていく。
自分で自分を愛し、大切にすることを。
自分を愛せないと人を幸せに出来ないことを。
あたりまえのことに感謝することを。
自分は自分でしか変えられないことを。
自分というブランドを掲げて生きていくことを。
そして、「あなたに出会えてよかった」と思われる人になりたいと思う。
タトゥー、ピアス、染髪、服装…。
「見た目で決めつける人は、マジで嫌い」。咲さんは、ハッキリ言う。
人生は、賢く、がめつく、可愛く。これが咲さんが決めた最強も生き方。
「私は世界一ツイテル!」
咲さん 英子さん