小原治五右衛門の「継承」 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

城端蒔絵の十六代小原治五右衛門襲名記念展に行ってきた。

安土桃山時代の天正三(1575)年から継承されてきた

城端蒔絵の十六代目。当年取って43歳。

その最新作が居並ぶ。

伝統からの「脱皮」を図り、自らの「深化」を感じさせる作品ばかりだ。

 

歴代の治五右衛門たちには、それぞれの美意識、思想、哲学があった。模倣や既存の考えに甘んじず、歴代がそれぞれの時代で自らに

「問い」を課し、知恵を絞ってきた。蒔絵技法の果てなき道を、変容を遂げながら歩んできた。常に新しいものに取り組んできた。

一子相伝の家系ではあるが、先祖たちは実に多彩だ。

当代の言葉を借りれば、16人のレオナルドダヴィンチがいるみたい。

日本画、彫刻、和歌、俳諧、郷土芸能、医学、蘭学、天文学、暦、測量…ニ芸にも三芸にも秀でていた。

城端の曳山祭りの屋台の修復にも熱心に取り組んできた。

小原家には、制約も型もない。それぞれが得意なことをしてきた。

ただし、「自分の治五右衛門を見つけなければならない。どんな治五右衛門であればいいのか治五右衛門に教えられる」。

 

「継承 十六代小原治五右衛門襲名記念展」は、

emmy art + (東京都中央区銀座6-3-2 ギャラリーセンタービル2F)で、

今月24日まで開かれている。

 

そして、いよいよ明日は、十六代小原治五右衛門さんを招いての「大人の寺子屋」だ。文京区の麟祥院で18:30~。

 

(立山連峰がモチーフ)

(常に絵になる男だ)