伊賀上野は、父がよく通っていたところだ。
父は、和装小物の卸売りの仕事をしていたので、
組紐職人の廣澤徳三郎さんのところに足しげく、通っていた。
組紐は、伊賀の伝統工芸品なのだ。
その伊賀上野で「嬉しいことばの種まき」をしてきた(10月30日)。
先月は、父の祥月命日だったので、父への供養にもなると思った。
古民家コミュニティ「ラディブーケ」主催の講演会に呼んでいただいた。
とても温かい空間で、波動の高い聴き手を前に、嬉しい気持ち満載で話をさせていただいた。会場との一体感が終始漂っていた。
父と母の話をしているうちに、ぐっときて言葉に詰まる場面もあった。
「ラディブーケ」とは、地域に根をはやし、それをブーケのように束ねていくという思いが込められた名前だ。
高森俊仁さんと前川和代さんが共同経営。
前川さんが料理を作り、高森さんがその傍らでいそいそ食器を洗っている姿は、どう見ても夫婦だ。だが、互いに妻がいて夫がいる。
高森さんが作る完全無農薬野菜を、前川さんが献立を考えて調理するという役割分担。「新鮮で安心出来る農作物を通して、地域に人が集う幸せな暮らしの実現に貢献する」という想いが一致した同志という存在なのだ。こういう男女の関係もあるのだと感心した。
「ラディブーケ」のある伊賀市諏訪地区には、スーパーもコンビニもない。だがここには「なにもない」という希少価値がある。
自然への畏敬を抱きながら、
いまこの瞬間生きているということを感じられる幸せがある。
優しい光のお日さまに、洗濯物を乾かす風に、山を潤す雨に、
自然と「有難う」が言える環境がある。
早朝、凛とした空気の中、散歩しながら、「なにもない」ことの
有難さをしみじみ思った。
母の話をしていたら、母が来たようだ…
夫婦のように見えるが、夫婦ではない…。
ランチ。美味しいのなんの!