まさに、この本のタイトル通り、本を読んでいるだけで
背筋が伸びてくる。
使う言葉で、その人の品性が定まる。
口にする言葉で、背筋が伸びたり、姿勢が崩れたりする。
ボクの知らないことば、改めて意味を知ったことば、使うと役立つことばが満載だった。
言葉の背景を知った上で使うと、自分や相手を見極める手がかりになる。言葉に含まれた思想を吟味した上で使うと、自身の考えの背骨が出来る。使う言葉で内面が磨かれる。言葉のクラス感が上がる。
素適な言葉を使うことで、後から自分の内面が言葉の思想に追いついていく。
今は、言い知れぬ不安感は世の中を覆っている。こういう時代だからこそ、人の心に灯りと点す言葉が必要だ。言葉の松明をかかげよう。
アメリカの大学の研究によると、1日に発する単語の平均は、男性が7000語、女性が20000語だという。発することばを変えると未来も変わる。「でも、だって、どうせ」を封印し、「だからこそ、喜んで、ぜひ」に変えれば、明るい未来が待っている。
植物の発芽条件は、「水」「空気」「温度」。
人間の才能の発芽もまったく同じ。潤いのある言葉かけ、風通しの良さ、温かみのある雰囲気が大事。
いくつかの背骨が伸びる言葉を紹介。
●後生畏るべし
自分より年少から学ぶ。違和感を否定せず、違いの中に価値観を見出す。
●眼福
美しいものが見られた幸せ。
●僥倖(ぎょうこう)
藤井聡太さんも使った。幸せに幸せを重ねたような心境。
●而今(じこん)
今、この一瞬を精一杯生きる。
●感恩報謝
感じた恩に感謝するだけでなく、恩に報いる。「刻石流水」は、
受けた恩は意識に刻み、かけた情けは水に流すという意味。
●人間(じんかん)到るところに青山あり
人間とは、人の住む世界のこと。青山はお墓のこと。お墓を意味するとは、この本を読みまで知らなかった。
故郷に骨を埋めなくても、いろんな場所で活躍すればいい。
●陰徳あれば陽報あり
秘かに良い行いをすれば、必ずいいことがある。
讃える言葉、勇気づける言葉、共感する言葉、労う言葉、感謝の言葉…こういう言葉の種を蒔き続けたら、時間を味方に出来る。蒔いたことを忘れるくらい次の種を蒔き続けよう。
●三年先の稽古
意思ある決断と行動の先に、意思ある未来が待っている。
明日のためではなく、3年先に自分のため、小さな積み重ねをしていく。目先の結果にとらわれず。
常に今が一番格好悪い。本当の格好良さは無様の先にある。
「三日会わざれば、刮目(かつもく)して見よ」という。人は3日も会わないと、成長しているから、先入観は持たない方がいい。