プロ野球日本ハムファイターズの監督に就任した新庄剛志さんが、
かなりの話題を呼んでいる。
とにかく言うことが全部面白い。ことばのテクニシャンだ。
いきなり「僕でいいのかなという思いの半面、僕しかいないな、と。
プロ野球を変えるつもりで帰ってきた」と抱負を語った。
茶髪、チェックの入った赤茶色の上下スーツ。
赤茶色のスーツに白いシャツの大きな襟を立て、胸元にネックレスをのぞかせながら登場した。そうして「監督っぽい格好で来ました」と爆笑を誘った。
新庄監督を起用した理由について、畑佳秀オーナーは、「札幌近郊の北広島市に新しい球場が開業する2023年に向け、北海道での歩みを知り、日本一の偉業を成し遂げた立役者である新庄監督が最もふさわしいと決断した」と話した。
記者会見の席上、川村社長から「常に優勝争いができるチーム作り」を求められたが、新庄監督は「優勝なんか一切目指しません」と宣言。「高い目標を持ちすぎると選手はうまくいかない。地味な練習を積み重ねてシーズンを迎え、9月あたりで優勝を争っていたら、さあ、目指そうぜ、って。僕はメンタル的なものを引き出せる力はあるので」と自信を見せた。
オファーを受けてから、応じるまでは、たったの1秒だったとか。
名刺には「ビッグボス」とあった。
「監督って、皆さん言わないで下さい。ビッグボスでお願いします。バリでビッグボスと言われていたんで。僕の人生はそんなもの。勘ピューターで突き進んできたんで」
「プロ野球の世界に入ってくる選手のレベルはほぼ一緒。ただ、メンタル面を伸ばせないコーチや監督がいたと思う。メンタル的なものを鍛えながら、チームに投手3人、野手4人ぐらいのタレントを作り上げれば、楽しいチームになるし、背番号、顔、名前を覚えてもらえる。その時には強くなっている」
「まずは作戦面の面白さ。こういう野球で、ヒットを打たなくても点は取れるんだぞ、と。そのためには選手に僕の考えをしっかり把握してもらう」
そうして、監督として、生活面でも目を光らせると発言。
「人間性というものは大事。人の悪口は言わない、いただきます、ありがとうございました、を言える選手を育てたい」。
新庄監督の口から意外とも思える発言。
「僕はチャランポランに見えるが、子供の頃は親にしっかり教育され、タイガース時代も上下関係を教わってきた」と。
人を見た目で判断しない方がいい。
真面目な部分をはぐらかしたい、努力している姿を見せたくないという思いがあるのだろう。
来年のプロ野球、面白くなりそうだ。
※新庄剛志(しんじょう・つよし)
福岡・西日本短大付高から、90年に阪神入団。
強肩強打の外野手で、記憶に残る言動でも人気を集めた。
01年からはメジャーのメッツなどでプレーし、04年に日本ハムに移籍。06年のリーグ優勝と日本一に貢献した。
日米通算1524安打、225本塁打を放ち、
ゴールデングラブ賞は10度獲得。